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2024年11月1日
特別展「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」/神戸市立博物館
特別展「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」が、神戸市立博物館にて開催中です。
テルマエという言葉を聞いたことがありますか?
ヤマザキマリの漫画『テルマエ・ロマエ』で、知っているという方も多いのではないかと思います。
テルマエとは、古代ローマ人の大規模公共浴場のことです。
それも、入浴以外にも、運動、酒宴、音楽、美術、読書などを楽しむことができる複合娯楽施設だったようです。またテルマエは、身分の高い貴族なども裸になり、奴隷もまた同じように裸になるため、身分を超えた語り合いができる場でもありました。
『テルマエ・ロマエ』の主人公ルシウスが案内役を務めている今回の展覧会。
山梨、大分、東京と巡って来て、神戸が最終会場となっています。早速、行ってみました。
会場の入り口で出迎えてくれるのは、カラカラ帝です。
アントニヌス勅令を発布して、属州を含む帝国内の全ての市民に、ローマ市民権を与えたことでも有名です。
そんなカラカラ帝は、ローマ市に巨大なテルマエを建設しました。
ところで、この顔、学校の美術室で見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
カラカラ帝の胸像は、日本ではデッサン用の石膏像として美術室によく置かれているそうですよ。
3階の第1会場では、古代ローマ都市の庶民の暮らしを感じとることができる品々が展示されています。
例えば、こちらはボンペイ遺跡から出土した炭化したパンです。
紀元79年にイタリア・ヴェスヴィオ山の大噴火で地下に埋もれたパンなので、こんなに炭化して真っ黒になっているのですね。
こちらのパンは、パニス・クアドゥラトゥスと呼ばれるもの。
当時、人びとの間で非常によく食べられていたパンだそうです。
古代ローマでは、白パン、黒パン、揚げパンなど、実にさまざまな種類のパンがあったようです。
食べるものに困らない豊かな暮らしをしていたことが伺えますね。
2階の第2会場では、古代ローマ人の入浴文化に触れることができます。
例えば、こちらは、古代ローマ人が入浴の際に愛用していた肌かき器です。
古代ギリシャ時代から使われてきたもので、古代ローマにも受け継がれました。
入浴前に、この肌かき器で肌をかいて汗や汚れを落としたり、入浴後に油などを身体に塗る時に使われたりしました。
身体をマッサージする時にも使っていたそうですよ。
テルマエの入浴施設には、さまざまな優れた美術品が飾られていました。
こちらは、《恥じらいのヴィーナス》。今回の展示会場でも特に目をひく作品のひとつです。
またこちらは、《アポロとニンフへの奉納浮彫》。当時のテルマエによく飾られていたものでした。
左端には治癒神であるアポロがおり、その隣に泉を守護するニンフが3人並んでいます。
優れた美術品が並ぶテルマエは、芸術に触れる場でもあったことがよくわかりますね。
本展では、日本の温泉文化を感じることができる展示も数多くされています。
神戸の有名な温泉と言えば、有馬温泉ですよね。
神戸会場では、《有馬温泉寺縁起絵巻》と呼ばれる長―い圧巻の絵巻が飾られています。
日本最古湯の一つである有馬温泉は、なんと、奈良時代に開湯したそうです。
そんな歴史ある有馬温泉の由来や伝説を描いた絵巻物になります。
会場を出ると、展覧会のオリジナルグッズを楽しむこともできます。
炭化したパンクッションなども面白いですし、神戸会場限定のタオルやミニ暖簾なども注目です!
古代ローマや、日本の入浴の歴史に触れていたら、温泉に行きたい気分になってきませんか?
そんな方のために会場を出たすぐの場所に、神戸の名湯案内が貼られています。
ぜひ、お帰りに立ち寄ってみては?
日本人も大好きな「入浴施設」という切り口の展覧会は、親しみがあって面白いですね。
古代ローマといえば高尚な彫刻や絵画のイメージが強いですが、本展では、古代ローマの人びとの暮らしに触れることができます。
ぜひお気軽にお立ちより下さい!