PROMOTION
クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
111年目の中原淳一/渋谷区立松濤美術館
渋谷区立松濤美術館にて、日本を代表するアーティスト・中原淳一の生誕111年目を記念した展覧会が開催中です。
その多彩な展示作品から、中原淳一という人間に迫る本展。人びとへ向けた力強いメッセージにも注目です!
中原淳一(1913-1983)は、画家やデザイナー、編集者など多彩なジャンルで創作活動をしたアーティストです。
中原淳一 《表紙原画(『それいゆ』第31号) 1954年 個人蔵
この絵は見たことがある人も多いはず!
戦前に雑誌『少女の友』でデビューをし、挿絵や表紙絵を手がけ少女の心を掴みます。
戦後も雑誌をつくることへの情熱は衰えることなく、この強い思いにより雑誌『ソレイユ』(8号以降『それいゆ』に改名)を創刊することになります。
雑誌『それいゆ』は、知っている方も多いのではないでしょうか?
当時の人びとは、敗戦後、とにかく毎日を生きることに必死でした。そんな状況を「このままではいけない!」と中原は考えます。
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」会場風景
人びとの心に一輪の花を。『それいゆ』は、そんな中原の願いがこめられ創刊しました。
展示室を見ていくと驚くのが、その仕事の幅広さです。
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」会場風景
挿絵画家としたデビューした雑誌『少女の友』もずらり。
『少女の友』1935-40年 個人蔵
「アップリケのフレアスカート」は、中原が提案したファッションの特徴がよく表れています。
中原淳一《アップリケのフレアスカート》1955年 個人蔵
リメイクやアップリケは、戦中は衣服や生地を再利用する手段として利用されていたそうです。
中原はこの手法を、今持っている服に「自分らしさ」を加えるアイデアとして提案しました。
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」会場風景
戦後、一気に普及したのが洋服です。
そんな中、中原は洋服だけではなく「新しいキモノ」も提案しています。
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」会場風景
パッチワークが施してあったり、ツイードなどの洋服の生地を使ったものなど。洋服感覚で着られるデザインは今見ても新しい!
中原流のファッションを見ると、決して背伸びする必要はなく、自分らしく工夫して楽しめばいいんだ!という気持ちにさせてくれます。
カラフルなオリジナルグッズにも注目です!
アクスタや榮太郎飴とのコラボ缶、トートバッグにハンカチまで!
とにかく種類豊富なので、欲しいものが見つかるはずです♪
最後に、『それいゆ』編集後記の中原の言葉をご紹介。
今出来る事、今着られる服だけをのせていたら、
この「ソレイユ」の存在価値はない。
こんな本はくだらないと言われるかも知れない。
お腹の空いている犬に
薔薇の花が何も食欲をそそらない様に。
しかし私達は人間である!!
窓辺に一輪の花を飾る様な心で、
この「ソレイユ」を見ていただきたい。
『ソレイユ』創刊号 編集後記より抜粋、1946年
中原淳一の色あせない想い、創作を展覧会でぜひ感じてみてください!
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」会場風景
※会期中、一部展示替えあり
前期:6月29日~8月4日
後期:8月6日~9月1日