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ハローキティ誕生50周年!「キティとわたし」を紐解く展覧会
2024年11月21日
今回は、八王子を巡るコースをご紹介します。西洋美術好きにぜひおすすめのコースです。
話題の印象派展と、オールドマスターの作品が鑑賞できる東京富士美術館、西洋美術のほか、家具屋ならではの椅子のコレクションも楽しめる穴場スポットの村内美術館、そしてルーヴル美術館の銅版画にスポットを当てたユニークな企画展が開催されている八王子市夢美術館を回ります。
いつもは歩いて巡ることが多いですが、暑い夏を考慮し、バス利用をおすすめします。
JR八王子駅、京王八王子駅、JR拝島駅、JR秋川駅から発着するバスで東京富士美術館に向かい、そこから徒歩約20分で村内美術館へ移動します。裏口ではなく正面から入る必要があるため、村内ファニチャーアクセス八王子本店の3階にある美術館の位置を店員に確認すると良いでしょう。
次に八王子夢美術館まで距離があるため、八王子夢美術館まで行くバスを利用し、八王子夢美術館からはJR八王子駅まで徒歩で戻るコースを筆者は巡りました。
1983年11月3日に開館した東京富士美術館は、「世界を語る美術館」をモットーに、古今東西の約3万点の芸術作品をコレクションしています。
美術館のコレクションは、ロマン主義、写実主義、印象派から20世紀美術まで、多岐にわたります。
特に「オールドマスター」と呼ばれるルネサンスから18世紀までの画家の作品が充実しており、ロダンをはじめとする彫刻作品も見応えがあります。都内屈指の西洋芸術のコレクションが見どころです。
東京富士美術館の正面入り口
今回開催されている「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」は、上野で開催されていた巡回展です。
今年は、印象派の第1回展覧会から150周年にあたり、それを記念して、印象派がヨーロッパやアメリカに与えた影響を辿る展覧会です。
19世紀後半、多くのパリに集まった外国人画家は、印象派の技法を学び、その技法を自国に持ち帰り、新しい絵画の表現を広めました。
構成としては、ウスター美術館の所蔵品を中心に、モネやルノワールといったフランス印象派、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェントなど、さらには、日本であまり紹介されてこなかったアメリカ印象派の魅力に焦点をあてていきます。
東京富士美術館の展示会場のようす
見どころとしては、モネやルノワールなどのフランス印象派、アメリカ印象派を代表するハッサムの作品をはじめ、コロー、シスレー、ピサロ、カサット、サージェント、セザンヌなど、40人以上の画家の作品が集結。
前半はお馴染みの画家の名作、後半では新たな画家の発見が楽しめる構成になっています。ウスター美術館がモネの「睡蓮」を入手するまでの熱意が伝わる書簡のやり取りが展示されており、作品への深い愛情が感じられました。
また、会場内は写真撮影が可能です。照明や作品の見せ方も違うので、上野に行かれた方も楽しめる展示となっています。
東京富士美術館の展示会場のようす
展覧会名:印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵
開催期間:2024年7月6日~9月29日
会場:東京富士美術館
公式サイト:https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/1202407061/
村内美術館は、株式会社村内ファニチャーアクセスの会長、村内道昌が蒐集した西洋絵画を展示・公開するために、1982年11月に開館しました。
特徴は、「世界の名作家具デザイン展」という著名なデザイナーの椅子や家具、そして、「東西名画展」と銘打った絵画の展示と7つの章に分かれた展示が楽しめるところ。
家具屋の美術館と思わせる点は、椅子を主に展示している章でも絵画が展示してあり、逆に絵画が壁に飾ってある章でも椅子が展示されていたり、インテリアとしての絵画を楽しめる空間になっています。
村内美術館のエントランス
「世界の名作家具デザイン展」では、チャールズ・レニー・マッキントッシュ(イギリス)の高い背板が特徴の「ラダーバックチェア」、北欧デザインの名作であるハンス・J・ウェグナー(デンマーク)の「Yチェア」、そして21世紀美術館でもおなじみの妹島和世・西沢立衛によるユニットSANAA制作の「ラビットチェア」など、50点以上の名作家具が展示されています。
椅子好きにはたまらない空間です。
村内美術館の展示会場のようす
妹島和世・西沢立衛によるユニットSANAA制作の「ラビットチェア」
「東西名画展」では、バルビゾン派のコローやミレー、印象派のルノワール、マネ、シスレー、エコール・ド・パリの藤田嗣治、キスリング、ユトリロ、ローランサン、パスキンなどの作品が展示室の壁を飾ります。
さらに、ヴラマンク、クールベ、東郷青児なども展示されており、フランスの絵画の流れを俯瞰できる空間となっています。
また、ベルナール・ビュフェの作品を集めた展示室は圧巻で、都内でベルナール・ビュフェの作品を常設でまとめて見ることができる貴重なスポットとなっています。
村内美術館の展示会場のようす
村内美術館
公式サイト:https://www.murauchi.net/museum/
八王子市夢美術館は、JR八王子駅北口から徒歩15分、「ビュータワー八王子」2階に2003年に開館しました。
年に5〜6回の特別展を開催し、年間を通じて常設展で収蔵品展示も行っています。
美術館のコレクションは、八王子にゆかりのある清原啓子、城所祥、小島善太郎、大野五郎、鈴木信太郎、堀井英男などの作品を中心に所蔵しています。
八王子市夢美術館のエントランス
現在開催中の「ルーヴル美術館の銅版画展」は、ルーヴル美術館の「カルコグラフィー」に焦点を当てています。
カルコグラフィーとはギリシャ語で「銅に描いたもの」を意味し、当時、写真技術がなかった時代に、芸術作品などを銅版画によって記録するために、ルイ14世がフランス王家の権威を示すために奨励したのをきっかけとして始まります。
その後、続く歴代の王たちの下、原版コレクションが統合されていき、1797年に現在のカルコグラフィー室が誕生。版画技術の保存と名画の版画化が行われ、20世紀には現代作家の新作も加わり、コレクションはさらに充実しています。
八王子市夢美術館の会場のようす
銅版画の原版は印刷の摩擦で傷むのを防ぐため、薄い鉄メッキで表面を覆い、使用しない間はさらにニスで保護しています。
数百年前の貴重なコレクションを守るため、細心の注意を払い、多重の保護を行って原版を管理しています。
この工程は、美術館のロビーにあるモニターで見ることができ、版画制作の大変さや原版がどれほど丁寧に扱われているかを確認することができます。
八王子市夢美術館の会場のようす
本展覧会では、ルーヴル美術館のカルコグラフィー室の約13,000点のコレクションから、日本で特別公開するために当時の版を使って刷られた銅版画100点余りを展示。
ルネサンスからはレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、バロックからはフェルメール、レンブラント、20世紀絵画からはマリー・ローランサン、モディリアーニ、藤田嗣治、その他にもブーシェ、フラゴナール、アングル、ダヴィッド、モローなどの巨匠の有名な作品が銅版画化されています。
原画とは違ったモノクロの魅力、いわばもうひとつのルーヴル展とも言える内容になっています。
※画像は許可をいただいて撮影しています。
展覧会名:ルーヴル美術館の銅版画展
開催期間:2024年6月28日~9月1日
会場:八王子市夢美術館
公式サイト:https://www.yumebi.com/exb.html