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塩田千春 つながる私(アイ)/大阪中之島美術館

塩田千春の作品から他者との「つながり」を考える。圧巻のインスタレーションに注目

2024年10月4日


塩田千春《つながる輪》(2024)

国際的に活躍するアーティスト・塩田千春の大規模個展が大阪中之島美術館にて好評開催中です。

『つながり』をキーワードに、インスタレーションをはじめとする多様な作品が展示される本展。

本記事では、展示の見どころや圧巻のインスタレーション、個性豊かなグッズを紹介します。

3つの【アイ】がテーマ
他者との「つながり」を考える

「生と死」という問題と向き合い、「生きることとは何か」、 「存在とは何か」を問い続ける塩田千春。

目に見えないものを無数の糸で表現した塩田の作品は、世界中の人びとを魅了しています。

本展では、他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてアプローチ。

インスタレーションを中心に絵画、ドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品が集まります。

圧巻のインスタレーション

本展に展示されている多彩な作品の中でも、インスタレーションをピックアップして紹介します。

会場がある5階へのエスカレーターを上がると・・・塩田千春らしい「赤の糸」をめぐらせた空間が登場。


塩田千春《インターナルライン》(2022/2024)

糸と赤いドレスで構成された《インターナルライン》は、展覧会を飾る最初の展示です。

エスカレーター前で立ち止まると危ないので、立ち止まらずに進んで鑑賞してくださいね。

《辿る記憶》


塩田千春《辿る記憶》(2022/2024)

張り巡らせた白い糸と糸からしたたる水滴が圧巻の《辿る記憶》。思わず息を飲むような空間です。


塩田千春《辿る記憶》(2022/2024)

「循環」を表す“水”からは、人の記憶、命をイメージすることができます。

《家から家》

さまざまな大きさ、形の家をモチーフにした《家から家》。


塩田千春《家から家》(2022/2024)

現在、ドイツ・ベルリンで暮らす塩田にとって、「家」とは暮らす場所ではなく、自分の心の中でつながっているものだそう。

故郷・大阪での開催ということもあり、家をモチーフにした本作を展示することにしたそうです。

《多様な現実》

白いドレスが他のモチーフと回転する《多様な現実》。


塩田千春《多様な現実》(2022/2024)

誰も着ていないことで、その人の不在を示す白いドレス。でも確かに身に着けていた人の存在を感じられる。“ドレス”は、塩田がよく使うモチーフでもあります。

《つながる輪》

《つながる輪》は、一般から募集した「つながり」をテーマとするテキストメッセージを取り入れたインスタレーション。

こちらは本展のために制作されました。


塩田千春《つながる輪》(2024)

コロナ禍、「人と距離をとり、つながってはいけない」経験をしたことで、「他者とのつながり」について強く意識するようになったという塩田。


塩田千春《つながる輪》(2024)

赤い糸に織り込まれた手紙は、なんと1,500通以上!

ひとつひとつの手紙には「つながり」についての思いが込められていますよ。

ユーモアあふれるグッズも

定番から遊び心あるものまで取りそろえたオリジナルグッズも必見です。

作品をイメージしたメッシュバッグは、巾着がセットに。

糸からヒントを得た、揖保乃糸そうめんも!大阪らしいユーモアがあふれています。

お気に入りを是非さがしてくださいね。

※公式図録の会場での販売は10月末を予定しています。

大阪中之島美術館のみの開催となる本展。作品を通じて、 本展が 「つながる私」との親密な対話の時間となることでしょう。

また、本展は一部の作品を除き、写真と動画撮影が可能。
SNSで ハッシュタグ #塩田千春つながる私 をつけて、投稿してみてくださいね。

Exhibition Information