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2024年12月17日
小西真奈 Wherever/府中市美術館
府中市美術館にて、画家・小西真奈(1968-)の美術館での初の大規模個展が、2025年2月24日(月・休)まで開催中です。
現代の日本において、風景画の可能性を拡げている画家のひとりである小西真奈。
本展では、2006年に若手作家の登竜門であるVOCA賞を受賞した《キンカザン1》(2005)《キンカザン2》(2005)などの代表作を中心に、近作・新作を三章に分けて紹介します。
鮮やかな色彩で描かれた風景画。
柔らかなタッチで描かれた小西真奈の作品は、子どものころにみた風景を思い出すような不思議な懐かしさがあります。
一章「Gardens」では、2010年代の作品を紹介しています。
この頃に描いた作品は、小西自身の生活とコロナ禍によって作風に変化が生じています。
新型コロナウイルスによる外出が制限されていた時、小西は自宅から歩いて行ける都立公園や付属の温室、あるいは近所に流れる小川を訪れ、それらの風景を描きました。
感覚的に選ばれた色とおおらかな筆運び。
小西の豊かな感性で描かれた作品は、わたしたちの緊張を解くような、軽やかさとやさしさが魅力です。
2章「Drawings」では、素早い筆致の鉛筆によるドローイングを展示しています。
モノクロの鉛筆画から観ることができる、画家の視点にも注目。
ドローイングに囲まれた中央の椅子に座って鑑賞することをオススメします。
3章「Paintings 2004-2009」では、小西の評価を決定づけた、大画面の風景画を厳選して展示しています。
2006年のVOCA賞を受賞した《キンカザン1》《キンカザン2》。
本作は、宮城県の観光地である金華山を主題とした作品です。
右の作品の緑豊かな森を抜けると、左の作品の景色にたどり着くのだそう。
雄大な自然を大画面に捉えていますが、不思議と画面から伝わってくる気配は静かです。
実際にある景色ですが、知らない世界の風景にも捉えられる小西の作品。
作品の中央に立つと、その世界に入り込めるような魅力があります。
写真にも似て、わたしたちの記憶に語りかけてくるような、そんな小西の作品。
実在する風景でありながら、その場所を訪れたことがなくとも、なぜか多くの人が懐かしさを感じます。
そんなどこででもあり、どこででもないような場所を散策する展覧会です。この冬にぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。