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2024年11月1日
特別展「琉球」/東京国立博物館
透き通った海やキレイな珊瑚礁が魅力の沖縄。
豊かな自然や風土はもちろん、かつては琉球王国と呼ばれ、明治以降の近代化や戦争を乗り越えながら独自の文化を守り伝えてきた歴史があります。
そんな沖縄は2022年に復帰50年を迎えます。これを記念して、東京国立博物館(上野)で5月3日から特別展「琉球」が開催!
本記事では、琉球のことや展示の見どころ、素敵なグッズに音声ガイドなどを分かりやすいイラスト付きでご紹介します。来館前の予習として、沖縄のことについて知ってみたい方もぜひ読んでみてくださいね。
※展覧会情報はこちら
本展は復帰50年と節目の年を記念して開催されます。
展示室には、400年にわたり琉球王国を治めた琉球国王尚氏の「尚家宝物」が集結。王族が身につけていた衣裳・刀剣などの貴重な宝物が紹介されます。
左:沖縄県指定文化財 聞得大君御殿雲龍黄金簪 第二尚氏時代・15~16世紀 沖縄県立博物館・美術館蔵
中央:国宝 紅色地龍宝珠瑞雲文様紅型綾袷衣裳(琉球国王尚家関係資料)第二尚氏時代・18~19世紀 沖縄・那覇市歴史博物館蔵
展示期間:2022年5月31日(火)~6月12日(日)
右:模造復元 美御前御揃(ぬーめーうすりー)(金杯(きんぱい)・銀杯洗(ぎんはいあらい)・托付銀鋺(たくつきぎんわん)・銀脚杯(ぎんきゃくはい)) 松田 聖(錺屋 有限会社 松田) 平成28~30年度/模造復元 朱漆巴紋牡丹沈金透彫足付盆(しゅうるしともえもんぼたんちんきんすかしぼりあしつきぼん) 高良輝幸・高良典子(木の工房 杢陽)、仲宗根正廣(彫刻工房 木像)、諸見由則(株式会社 漆芸工房)、當眞茂 令和2年度 ※ともに、沖縄県立博物館・美術館蔵 展示期間:2022年5月31日(火)~6月26日(日)
ほかにも琉球文化を未来に伝える復元作品も展示するなど、琉球・沖縄の歴史や文化を過去最大規模で鑑賞することができます。
展示を楽しむ前に、琉球王国や、王国のシンボル首里城についてもおさらいしておきましょう♪
琉球王国は、現在の沖縄県から奄美諸島にかけて存在した国家です。
「北山(ほくざん)」「中山(ちゅうざん)」「南山(なんざん)」の三国に分かれて勢力争いをしていた12世紀。1429年に中山王の尚巴志(しょうはし)が三国を統一しました。
こうして誕生した琉球王国は、中国や日本、朝鮮半島、東南アジアと盛んに交易を行い、海洋国家として栄えました。
重要文化財 銅鐘 旧首里城正殿鐘(万国津梁の鐘)
藤原国善作 第一尚氏時代・天順2年(1458)
沖縄県立博物館・美術館蔵
当時の活気を伝える《万国津梁の鐘》には、“琉球王国は日中の間にある理想の島であり、船の交易によってアジア各地を結ぶ「万国津梁」(万国の架け橋)である”という言葉が刻まれています。
アジアの架け橋となった琉球王国の繁栄ぶりがうかがえますね。
那覇全体を望む高台に建てられた、世界遺産にも登録されている首里城。明治12年に沖縄県となるまでの約450年間、琉球王国の政治や外交、文化の中心地として存在していました。
首里城公園 首里城正殿(平成26年(2014)撮影)
画像提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団
美しい赤瓦が特徴的な首里城ですが、何度も焼失と再建を繰り返しています。
そして2019年の火災による焼失。同年に復元作業が完了したばかりでした。
この悲しい出来事を乗り越えるべく、首里城の復元事業はすでに始まっています。
高精細「首里城」復元CG映像 NHK特集番組「祈りの首里城 デジタルでよみがえる姿」(BS1 2020年12月放送)より
琉球展では首里城最盛期とされる18~19世紀のようすを、高精細CGによる再現映像で一部公開予定です。
それでは、琉球展で見逃せない作品を5つご紹介します。
本展出品作品の一番の目玉と言えるのが、世界に唯一現存する国宝「玉冠(たまんちゃーぶい)」です。
この玉冠は、廃藩置県により首里城内にあった王家宝物の一部が東京へ移されたことで、1945年の沖縄戦での被害を逃れました。その際首里城にあった宝物の大部分が失われましたが、東京にあったものは現在も王家所蔵品として伝わっています。
国宝 玉冠(付簪)(たまんちゃーぶい(つけたりかんざし))
(琉球国王尚家関連資料)第二尚氏時代・18~19世紀
沖縄・那覇市歴史博物館蔵
展示期間:2022年5月3日(火・祝)~5月15日(日)
玉冠は、琉球国王が即位儀礼などの重要な儀式で着用したもので、表面には金や銀、サンゴ、水晶など7種類の玉がなんと288個も施されています!
「被ると暑そう、重そう!」に見えますが、実は内側がメッシュ構造になっており、650グラムと軽めに作られています。暑い地域ならではの工夫ですね。
かんざしの模様にも注目! 王権の象徴である2頭の龍の文様がとても細かく刻まれていますよ。
さまざまな独自の文化を持つ沖縄ですが、結婚に関する行事もとってもユニークです。
当時の沖縄の婚礼行事を垣間見ることができる資料のひとつが《琉球風俗図》です。
琉球風俗図(部分) 明治時代 19世紀 国立国会図書館デジタルコレクションから転載
展示期間:2022年5月3日(火・祝)〜5月29日(日)
※展示期間中巻替えがあります。展示される場面とは異なる場合があります。
男性が参加する「ドウドイ」は沖縄の婚礼行事のひとつで、丸太で作られた「ウマ」に男性をまたがらせて練り歩くものです。何をしているか、皆さん分かりますか?
子宝を祈願する意味があるこの行事ですが、もちろん痛みがあるため・・・“婿いじめ”とも言われたそうです。
カゴの中には花嫁は本図では詳しく描かれていませんが、中では花嫁衣装をつけ、顔を隠すための黒い着物を頭から被っています。
《琉球風俗図》には、当時の首里城のようすも細かく描かれていますよ。
沖縄の祈りの文化を伝える資料としてイチオシなのが《ノロの図》です。
ノロとは神女のことで、沖縄では古くから、神に祈りをささげるのは女性の役割とされてきました。
ノロは各地にある聖域・御嶽(ウタキ)で豊作や航海安全、そして国家の安泰を祈願していました。
《ノロの図》第二尚氏時代・19世紀
東京国立博物館蔵
展示期間:2022年5月3日(火・祝)~5月29日(日)
本図をよく見ると・・・ノロの両手にハジチ(入れ墨)が入っています。
琉球王国や奄美諸島では、成人した女性が両手にハジチを入れる習慣があったそうです。
《ノロの図》(部分)
《ノロの図》は東京国立博物館のみの展示となります。実際にノロが使用した衣裳や扇も展示されますよ。ぜひ細部までご覧ください。
琉球には14〜16世紀ごろ、海外との貿易を盛んに行っていた際にアジア各地から多くの焼き物が持ち込ました。
沖縄では家のいたるところにチャーギの葉をまつる風習がありますが、チャーギをまつるのにも焼き物が使用されました。
《三彩鴨形水注》中国 明時代・16世紀
ころんとした鴨の形をした水注は、羽根の細部まで見事に表現しています。
本作は、ノロをつとめた旧家に伝わったものだそう。愛らしいフォルムと美しい色彩の水注は、ノロのお気に入りだったかもしれませんね。
琉球王国では王が亡くなると、王府の絵師によって「御後絵(おごえ)」という肖像画が描かれていました。
廃藩置県後も大切に保管されていましたが、すべての御後絵が大戦により焼失したと伝わっています。
模写復元 尚穆王御後絵 東京藝術大学保存修復日本画研究室(制作) 令和2年度
一般財団法人 沖縄美ら島財団蔵
展示期間:2022年5月3日(火・祝)~5月29日(日)
極彩色で描かれた《尚穆王御後絵》は、縦横が1.5mもある大きな絵画作品でした。
失われた御後絵は、戦前、沖縄研究の第一人者である鎌倉芳太郎(1893-1983)が撮影した10枚のモノクロ写真と、御後絵を直接見た人たちが記した文献や証言などをもとに模写復元が行われました。
鎌倉がまとめた81冊の調査ノート「琉球芸術調査記録」は、重要文化財に指定されています。琉球の美術工芸や建築、文学、民俗などが詳細に記録されており、沖縄の文化の継承や、研究資料として現在まで受け継がれています。
模造復元 美御前御揃(御玉貫)
上原俊展〔金細工まつ〕、高田明〔公益財団法人 美術院〕
平成30年度 沖縄県立博物館・美術館蔵
展示期間:2022年5月3日(火・祝)~5月29日(日)
本展では、沖縄県立博物館・美術館が2015年より行なってきた琉球王国文化遺産集積・再興事業によって復元された文化財とその制作技術も紹介。沖縄の「手わざ」を未来へとつなぐ多くの人びとの想いも感じることができます。
琉球から中国に渡った「進貢船」が帰国しにぎわう那覇港にのようすを描いた「琉球進貢船図屛風」の人物モチーフを抜き出した本展オリジナルグッズが登場!
モチーフとなった人物のしぐさや表情のゆる~い雰囲気にご注目。ほっこりすること間違いなしです。
(左上)豆皿 1,320円(税込)
(右上)チケットホルダー 495円(税込)
(左下)ダイカットシール 880円(税込)
(右下)トートバッグ 2,530円(税込)※商品のデザイン、仕様、外観、価格は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください。
琉球展とサンリオキャラクターズの豪華メンバーとコラボした、展覧会限定グッズも販売されます。
琉球の伝統衣装を身に着けていたり、ポムポムプリンがあの玉冠をつけていたり! 細部までこだわったとってもかわいいデザインになっていますよ♪
(左)パタパタメモ660円(税込)
(右)A4ファイル495円(税込)
© 2022 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. L630290
本展の音声ガイドは、沖縄出身の女優・仲間由紀恵さんが担当します。
仲間由紀恵さん
仲間さんは琉球王朝末期を舞台にしたドラマ「テンペスト」や、話題のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」にも出演しています。
琉球の美と文化を、ぜいたくに紹介する本展。
東京のあとは7月16日~9月4日で九州国立博物館で開催します。また、関連展覧会が10月14日~12月4日で沖縄県立博物館・美術館にて開催予定ですよ。
事前予約は不要です。ご来場の際は東京国立博物館正門チケット売り場でご購入ください。また、「ART PASS」でオンラインチケットが販売中です。
詳しくは公式サイトをよくご確認ください。