グラフィックトライアル2022/印刷博物館

印刷マニア必見!“ CHANGE ”をテーマに5組のクリエイターがグラフィックトライアル

2022年4月23日

グラフィックトライアル2022 -CHANGE-/印刷博物館

印刷博物館で、毎年恒例のグラフィックトライアル展が開催中です。

2022年のテーマは“ CHANGE ”

居山浩二、GOO CHOKI PAR、小玉文、田中良治、増永裕子、5組のクリエイターの独創的なアイデアと印刷技術を組み合わせて完成させたポスターと、制作過程での数々のトライアルを紹介します。

※展覧会情報はこちら

グラフィックトライアルとは?

グラフィックトライアルは、第一線で活躍するクリエイターとトッパンが協力して新しい印刷表現を探るプロジェクトです。16回目となる2022年のテーマは“ CHANGE ”です。

展示を担当されたトッパンの中村さんによると、「この時代だからこそ生まれた、新たな価値観を持つ作品を見てもらいたい」とのこと。テーマの解釈は各クリエイターの自由で、本年はかなり特徴的なポスターが勢ぞろいしたそうです!

本記事では、展示内容を少しだけご紹介します。

第一線で活躍する5組のクリエイター

クリエイターがテーマをもとに、何をどう表現するかは自由だそう。その表現はビジュアルに現れたり、印刷技術から見えてきます。


GOO CHOKI PAR「マスカレーダー」

展示の最初に目を引くGOO CHOKI PARの「マスカレーダー」には多面性という意味がこめられ、ポスター1枚にいくつもの印刷技術を使用。印刷の多彩さをみてとることができます。


居山浩二「Not Dot」

無数のドット「網点」で構成される印刷技術に注目した居山浩二の作品は、ぜひ間近で見てほしいです。なんと作った網点は340を超えるそうです!

印刷博物館/グラフィックトライアル2022
小玉文「トライ・アン・ケム」

自身で作った造語「ケム」―かすみや、何かを隠そうとするもの―に着目し、その姿を印刷することを実験したのは小玉文。印刷技術に詳しい小玉ならではの作品となっています。


増永裕子「BORDER」

トッパンでセキュリティデザイナーを務める増永裕子は、自身がふだん携わる証券、パスポートなどのホログラムデザインを印刷で再現できるか試み、ヨーロッパの地図を表現した大型作品を制作しました。

スフマート編集部のお気に入り!

5組のクリエイターのなかでもスフマート編集部が注目したのは田中良治の作品です。

印刷博物館/グラフィックトライアル2022
田中良治「5 SISTERS」

田中はふだんwebデザイナーとして活躍しており、グラフィックトライアルの依頼が来たとき「光を印刷にのせたい」と考えたのだとか。
ネオン管をイメージしたデザインにはバックライトパネルが使用されており、ネオン部分以外は光を遮蔽する印刷構造になっています。

「5 SISTERS」と題するこちらの作品、何を表しているか分かりますか?

印刷博物館/グラフィックトライアル2022

実はソフィア・コッポラが監督した映画『ヴァージン・スーサイズ』に登場する美しい5姉妹を表現しています!
よ~く見ると、緑の線が名前、青い線が輪郭や髪のシルエット、赤い線が年齢を表しています。

田中が上京した際、たまたまこの映画を鑑賞し、とても印象に残っていたのだそうです。

印刷技術による光の表現や、独創的なデザインを会場でじっくり見てみてください。

 

絵柄が代わる作品や、見る位置によって存在感が変わる作品など、本来変化しない「印刷物」という枠を超え、新しいポスターのかたちを見せてくれる本展。トッパンだからこそ実現可能な、多彩な印刷技術も楽しめますよ。

会場内では、実際のプリントされた用紙などを触ることができるコーナーも設置されていますので、お見逃しなく。

なお、本展は入場無料ですがオンラインでの事前予約が必要となります。詳しくは公式サイトをよくご確認ください。

Exhibition Information

展覧会名
グラフィックトライアル2022 -CHANGE-
開催期間
2022年4月23日~7月24日 終了しました
会場
印刷博物館 P&Pギャラリー
公式サイト
https://www.printing-museum.org/