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2024年11月1日
東京の猫たち/目黒区美術館
まんまるの瞳にしなやかな動き、マイペースな性格。人びとを魅了する“猫”をテーマにした展覧会「東京の猫たち」が、目黒区美術館にて開催中です。
「東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち」展示風景
本展は、都内の区立美術館11館が集まる「東京・区立美術館ネットワーク」の連携事業として実現。今回はコレクションを有する10館から、猫を描写した作品が約80点展示されます(会期中一部展示替えあり)。
※展覧会情報はこちら
都内の区立美術館のネットワークにより実現した本展。なぜ猫がテーマになったのでしょう?
目黒区美術館の山田真規子学芸員によると、「各館それぞれが特徴的なコレクションを持っており、共通点を探っていく中でたどり着いたのが猫だった」とのこと。
「東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち」展示風景
展示室には彫刻や版画、絵画、そして江戸から近現代まで、さまざまな表現方法と時代の猫作品がずらりと並びます。
身近で親しみやすい猫を楽しむことができるのはもちろん、各館のコレクションの特徴を反映している点にも注目です。会場に設置された各館のパネルでは、東京の区立美術館の多彩な活動を分かりやすく知ることができますよ。
多くの芸術家にとって、猫は自由であり、何者にも縛られない、憧れや共感の対象でもあります。
「東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち」展示風景
展示室に入るとまず目に入るのは、愛猫家だった朝倉文夫の彫刻作品の数々です。
多いときは一度に19匹もの猫を飼うほど、大の猫好きだったという朝倉。
スフマート編集部が特に気に入ったのが、ブロンズ彫刻の《吊された猫》。人間が子猫をつまんだ瞬間を切り取ったユニークな作品です。愛猫家だからこそ表現できる、猫のふてぶてしい表情にはクスリと笑ってしまいました。
「東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち」展示風景
今回一番多く猫に関する作品を展示しているのが世田谷美術館です。同館のコレクションは幅広く、世田谷ゆかりの作家や、アンリ・ルソーをはじめとする素朴派、アウトサイダー・アートの作品などを所蔵しています。
「展示風景より右、稲垣知雄《子猫の群像》1975年 世田谷美術館蔵
猫のモティーフを得意とした稲垣知雄の作品。《子猫の群像》では子猫の目が青く描かれていますが、これは猫が生後2か月ごろまでは目が青いという生物学上の特徴をとらえています。
幾何学的なデフォルメされた形でありながら、正確な描写も加えられており、猫を熟知していたのがうかがえます。
他にもケンカをしている猫や猫を擬人化し日常のドラマを描いた作品など、猫のさまざまな表情は観ていて飽きません。愛らしい場面をぜひ探してみてください。
2022年は寅年ということで、同じネコ科の「虎」を描いた作品も展示されています。
なかでも注目したいのが、大田区立龍子記念館が所蔵する《虎の間》です。
川端龍子《虎の間》1947年 大田区立龍子記念館蔵
京都・南禅寺の《群虎図》と向かい合うようにして、日本画家・川端龍子が立つ本作。ふすまに描かれた虎と龍子の両者で龍虎を表しているそうです。
ちなみに、龍子自身は大の愛犬家だったそう。そのため、多くの犬を描いた作品は残されていますが猫に関する作品はほとんど残されていません。そうした意味でも、虎や猫を描いた龍子作品は創作の意図をもって描かれたと言えます。
「東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち」展示風景
虎のモチーフは他にも、板橋区立美術館の日本画やすみだ北斎美術館の北斎漫画などでも観ることができますよ。
目黒区美術館が所蔵する猫コレクションも見逃せません。
今井俊満や高野三三男、藤田嗣治など。日本の近現代美術の優れた作品を所蔵する同館ならではの特徴的な所蔵品もじっくり鑑賞してみてください。
「東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち」展示風景
猫を描いた作品をたどっていくと・・・女性とともに描かれたものがとても多いのだそうです。
かつて画家のほとんどは男性でした。女性や猫の神秘的な部分や曲線美は、画家が描きたくなるモティーフだったのかもしれませんね。
ミュージアムショップには、各館で通常販売されている猫モチーフのグッズのほか、本展オリジナルの展示作品ブックレットなども販売されています。
特におすすめなのが、オリジナルサコッシュです。
長財布が入る大きさで、何かと便利なポケット付きです。値段も本展期間中は700円とお手ごろなので、要チェックです。
「猫」をテーマに都内の区立美術館の活動をひもとく本展。お気に入りの猫がきっと見つかりますよ。