2022年7月25日

夏はSOMPO美術館で「フランス近代絵画」について学んでみよう!

スイス プチ・パレ美術館展/SOMPO美術館

スイスのジュネーヴにあるプチ・パレ美術館は、19世紀後半から20世紀前半のフランス近代絵画を中心とする豊富な美術品を収蔵しています。現在SOMPO美術館で、日本では約30年ぶりとなる同館のコレクション展が開催中です。

本展では、プチ・パレ美術館の多彩なコレクションからルノワールやデュフィ、ユトリロなど38名の画家による油彩画65点を展示し、印象派からエコール・ド・パリまでのフランス近代絵画の流れを紹介します。

※展覧会詳細はこちら

スイス プチ・パレ美術館

プチ・パレ美術館は、1968年に実業家オスカー・ゲーズ氏(1905-1998)のコレクションを公開することを目的に設立された美術館です。同館が所蔵するゲーズ氏のコレクションは、19世紀後半から20世紀初めにパリで制作されたフランス近代絵画を中心としています。

ユダヤ系のゲーズ氏は二度の世界大戦を経験し、波乱に満ちた人生を送った人物でもあります。そのため、プチ・パレ美術館は活動の基盤として「平和に奉仕する芸術」という信条を掲げています。ゲーズ氏の願いは、世界中の展覧会にコレクションを貸し出すことで叶えられています。

日本にプチ・パレ美術館のコレクションがやって来るのは、約30年ぶりとのこと!同館は1998年に休館して以来、現在も一般には公開されていません。そのため本展は、現地でも見ることのできない傑作を鑑賞することのできる貴重な機会となっています。

フランス近代絵画の流れを一挙に紹介

19世紀後半から20世紀初頭のパリでは、印象派や新印象派、ナビ派、フォーヴィスムなど新しい絵画の動向が次から次へと現れました。本展ではそうしたフランス近代絵画の流れを、6章に分けて詳しく紹介しています。

ここでは、スフマート編集部おすすめの章をご紹介していきます◎

第1章 印象派

19世紀後半のパリで、当時の美術界を牛耳っていたアカデミーが提唱する伝統的な主題と表現手法を拒絶し、新たな絵画を探求する若い画家たちがいました。彼らは、クロード・モネやオーギュスト・ルノワールなど「印象派」と呼ばれる画家たちです。


オーギュスト・ルノワール《詩人アリス・ヴァリエール=メルツバッハの肖像》1913年 スイス プチ・パレ美術館蔵

《詩人アリス・ヴァリエール=メルツバッハの肖像》は、ルノワールが南仏カーニュ=シュル=メールに滞在しているときに手がけた作品です。カーニュ時代のルノワールは、肖像画や裸婦像、静物画、神話画が大半を占めているといいます。

アリスの白いドレスに注目!白を主調とした限られた色のパレットを用いつつ、その布地の豪華さを際立たせているようすがうかがえますね。

第4章 新印象派からフォーヴィスムまで

1905年、パリで開催されたサロン・ドートンヌで若い画家たちによる絵画があるセンセーションを巻き起こしました。大胆なタッチと鮮やかな色彩を特徴とする彼らの作品が“野獣(フォーヴ)”と批評されたことから、「フォーヴィスム」という呼び名が誕生しました。


(左)ルイ・ヴァルタ《帽子を被った女の肖像》1895年
(中央)ルイ・ヴァルタ《マキシムにて》1895年
(右)ルイ・ヴァルタ《ブーローニュの森の遊歩道》1898年 いずれも、スイス プチ・パレ美術館蔵

こちらの3つの作品は、フォーヴィスムの先駆者、ルイ・ヴァルタが手がけたものです。中央の《マキシムにて》は、1893年に創設されたレストラン・マキシムのようすを描いたもの。このレストランはパリのベル・エポックの中心地として栄えました。

多くの芸術家が通うレストラン・マキシムは、夜のパリジェンヌの常連が集う場所でもあり、本作では店の常連であるパリジェンヌのようすを、自由なタッチと野生的な色彩でのびのびと描いています。

6章 ポスト印象派とエコール・ド・パリ

19世紀稿んから20世紀初めにかけてのパリでは、前衛芸術が多様な展開を見せた一方で、それらから距離を置いた画家たちもいました。

とくに二度にわたる世界大戦の時期は、パリで活動したフランス国内外出身の芸術家たちの中で、特定の芸術運動に属さず、明確な芸術上の主義や信条を立てない画家たちが誕生します。彼らは「エコール・ド・パリ」と呼ばれました。


(左)モイズ・キスリング《赤毛の女》1929年
(右)モイズ・キスリング《サン=トロペのシエスタ》1916年 いずれも、スイス プチ・パレ美術館蔵

ポーランド出身のモイズ・キスリングは、エコール・ド・パリを代表する画家のひとりです。《サン=トロペのシエスタ》は、自分と1917年に結婚することとなる恋人のルネの姿を描いた作品です。

1914年に第一次世界大戦が勃発すると、キスリングは外人部隊に志願しますが、翌年に負傷して前線を離れました。本作では負傷後にフランス南部にある自身の領地で休暇を取っているようすが描かれているのだそう。豊かな色彩で構成された画面からは、つかの間の平穏と結婚を間近に控えたキスリングとルネの喜びが伝わってくるようです。

ほかにも見どころがたくさん♪

展示の最後では、SOMPO美術館の収蔵作品も紹介されています。そのうち、ルノワール《浴女》、《帽子の娘》、また同館のコレクションを代表するファン・ゴッホ《ひまわり》の3点は一般の方も写真撮影が可能です。


(左)オーギュスト・ルノワール《帽子の娘》1910年
(中央)オーギュスト・ルノワール《浴女》1892-93年頃
(右)ファン・ゴッホ《ひまわり》1888年 いずれも、SOMPO美術館蔵

館内に注意事項を記載したパネルがあります。撮影の際は、そちらをご確認ください。

また、本展では夏休み企画として、小学生向けのワークシートも数量限定で配布しています。工作の要素を取り入れた楽しいワークシートは、自由に切り込みを入れたり、展覧会で観た作品についての感想や美術館での思い出を書き込めるようになっていますよ♪

 

フランス近代絵画の重要な美術運動の特徴を分かりやすく紹介する本展。

西洋美術ファンはもちろん、アートビギナーにもおすすめな展覧会です。夏休みの家族や友人とのお出かけにいかがでしょうか。

なお、本展のチケットはインターネットでの事前購入が便利です!詳しくは美術館公式サイトをご確認ください。

Exhibition Information

TICKET

本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
〆切は2022年8月7日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。