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2024年11月21日
脚本家 黒澤明/国立映画アーカイブ
映画の保存・研究・公開を通して映画文化を守り続ける国立映画アーカイブ。同館では現在、展覧会「脚本家 黒澤明」が開催中です。
映画監督として知られている黒澤明の「脚本家」としての仕事について詳しく紹介する本展。国立映画アーカイブの所蔵品の他、黒澤資料のコレクター、黒澤作品の元スタッフ関係者などから貸与された資料から、黒澤明の最新研究の成果を一挙に公開します。
★ページ下部にチケットプレゼントもあります★
映画監督、脚本家、プロデューサーと多彩に活躍した黒澤明。「世界のクロサワ」と呼ばれるほど、日本のみならず海外の映画界でも高い評価を受けてきました。
代表作は、第15回ベネチア国際映画祭(1954)で銀獅子賞を受賞した『七人の侍』(1954)や、第33回カンヌ国際映画祭(1980)でパルムドール(最高賞)を受賞した『影武者』(1980)など。黒澤作品は、世界中の映画人に多大な影響を与え続けています。
国立映画アーカイブでは、黒澤明の監督業や作品に注目した展覧会をこれまでも開催してきました。しかし、「脚本家」としての黒澤明に迫った展覧会は今回が初めてとのこと。
そこで本展では、在野の黒澤明研究家グループの全面的な協力を得て公開された最新の研究結果から、脚本家としての黒澤明について解き明かします。
黒澤明はドストエフスキーやシェイクスピア、山本周五郎といった文豪たちの作品からインスピレーションを受け、映画化したことで知られていますが、それだけではありません。
本展では、文豪たちが黒澤明にどのような影響を与えたのかについて解説するパネルのほか、当時の映画ポスターや脚本の決定稿などが展示されています。
『白痴』初版ポスター Aタイプ(右)とBタイプ(左) (1951年) 谷田部信和氏所蔵
また、本展では黒澤明が「神様」と称したフランスの小説家・バルザックの作品についても紹介。黒澤明の助監督時代の創作ノートからバルザックについて書かれた箇所を抜粋し、コメントや黒澤作品との類似点について解説しています。
バルザック原作映画企画書(1947年頃)国立映画アーカイブ所蔵(本木荘二郎コレクション)
現在では多くの映画人に影響を与えている黒澤明が、どんな文豪たちに惹かれ、影響を受けてきたのかがわかる展示内容になっています。
世界映画史に名を残した黒澤明の名作『七人の侍』(1954)。日本の戦国時代を舞台とした本作は、農村を襲う野武士(強盗などを行う武装農民集団)から「村を守ってほしい」と頼まれた七人の侍と、頼んだ村人たちが交流していくようすが描かれています。
『七人の侍』初版ポスター(1954年)槙田寿文氏所蔵
黒澤明と橋本忍、小國英雄の3名の合作によるシナリオによって作られた本作。七人の性格について書かれた創作ノートのほか、引用エピソードや台詞などの貴重な資料から「名作がどのように生まれたのかについて」を解き明かします。
『隠し砦の三悪人』(1958)も、『七人の侍』同様に戦国時代を描いた作品です。敗軍の侍大将・真壁六郎太が、世継ぎの雪姫と軍資金とともに敵陣を突破し、同盟軍の陣内へ逃亡するようすを描いています。
本作のシナリオは、黒澤明、菊島隆三、橋本忍、小國英雄の4名が旅館に泊まりこんで作ったのだそう。その際、映画の内容全体を通した「たたき台」を作らずに、各脚本家が同時に各シーンを一発で書いてつなげる「いきなり決定稿」方式で作られました。
『隠し砦の三悪人』初版ポスター(1958年)槙田寿文氏所蔵
ここでは『隠し砦の三悪人』の脚本がどのように完成したのかについて、その過程をデジタル展示システム「IT-One Quest」の最新版を用いて紹介。「誰が」「どのパートを」「どういう順番で」書き上げたのかを映した映像システムになっているので、作品が作られていった過程が鮮明にわかりますよ。
本展では、クランクインまで進みながら監督降板となった『虎 虎 虎』(1968)など、「映像化されなかった」脚本たちも紹介されています。
『虎 虎 虎』に関する資料
中でも注目の展示は、黒澤明が監修しながら実現しなかったテレビドラマ『ガラスの靴』(1971)の世界初公開となる決定稿です。
娘の婚約祝いとして届いたガラスの靴をめぐって浮き彫りになる、さまざまな人間模様を描いた本作。しかし、本作の脚本は現物が確認されず「幻の企画」とされていました。
『ガラスの靴』脚本決定稿(1971年)槙田寿文氏所蔵
こうした貴重な資料を間近で観ることができるので、黒澤明に精通している人にとっても新たな気づきが得られる展覧会になっています。
脚本家としての黒澤明の軌跡や情熱が垣間見えた「脚本家 黒澤明」展。創作ノートに描かれたキャラクター像や台詞などからは、黒澤明がいかにこだわって映画を制作してきたかがわかります。
黒澤明を知る人にとっては新たな解釈が生まれる展覧会であり、また黒澤明を知らない人にとってはなぜ彼の作品が評価され続けているのかについて知ることができる内容でした。
また、9月に本展公式図録『脚本家 黒澤明』の販売が予定されています。さらに、10月から始まる上映企画『東宝の90年 モダンと革新の映画史(2)』では関連作品が上映されるとのこと。展示のほかにも図録や上映企画などを通して、「脚本家」としての黒澤明についてより理解が深まる機会となっています。
※公式図録や関連上映企画の詳細は、国立映画アーカイブ公式サイトをご確認ください。
国立映画アーカイブからハシゴできる展覧会もチェック!
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
〆切は2022年9月4日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。