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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
開館25周年記念展Ⅰ「愛し、恋し、江戸絵画―若冲・北斎・江戸琳派―」/細見美術館
《白蓮図》酒井抱一 1幅 絹本墨画淡彩 江戸後期
《竹華籠》1面 竹製 鎌倉時代
平成10(1998)年に京都・岡崎に開館した細見美術館は、昭和の実業家・細見良(初代古香庵)に始まる細見家三代が蒐集した日本美術約1000点を所蔵する美術館です。
四半世紀を経て、記念展が2期に分けて開催されます。
Ⅰ期は、二代古香庵・細見實と有子夫妻が蒐集した江戸絵画を展観しています。
伊藤若冲《群鶏図》紙本墨画寛政8年(1796)頃
昭和40年代から若冲作品を蒐集してきた二代古香庵ですが、2000年に京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲」展をきっかけとした「若冲ブーム」で、細見美術館は一躍注目を集めるようになりました。
伊藤若冲《雪中雄鶏図》紙本著色 江戸中期
細見美術館の若冲コレクションは、19件!しかしながら三双の屏風を含む各時代の若冲作品を所蔵しています。
展示風景
注目の北斎肉筆画。
二等辺三角形の考えられた構図の北斎の美人画
葛飾北斎 能舞亭三毬 賛《五美人図》絹本著色 江戸後期
細見美術館の北斎コレクションには、版画は1枚もなく、全て肉筆だそうです。
葛飾北斎《夜鷹図》紙本淡彩 江戸後期
後ろ姿で語る夜鷹の生き様にゾクッとしました。
展示風景
若冲と共に江戸琳派コレクションは細見美術館の両輪と言えるでしょう。
最初に掲載している抱一の《白蓮図》は、「とろけるような蓮だ」と一瞬にして虜になりました。淡墨にほどこされた淡い彩色にもご注目ください。
酒井抱一《青面金剛図》絹本著色(描表装)文化14年(1817)
姫路藩主・酒井忠以の弟であった抱一は、若い頃は吉原通いの遊興三昧、俳諧もする風流人でした。寛政9(1797)年37歳の年に築地本願寺で出家して酒井家を離れ、自由な立場の僧として後半生を送ったそうで、仏画も描きました。「描表装」は元来仏画の技法だそうですが、とても描かれたとは思えないほどの表装に目を見張ります。
鈴木守一《業平東下り図》絹本著色(描表装)江戸後期~明治時代
ご存じ『伊勢物語』第九段「東下り」の場面です。四季の草花を描いた華やかな表装が場面を惹き立てます。
鈴木其一《朴に尾長鳥図》絹本著色 江戸後期
朴の葉に琳派の「たらし込み」技法を思いっきり使った大胆で斬新な其一の作品です。師・抱一の死後、抱一から解放され、家禄を返上して一絵師として、江戸末期にさまざまな絵に接し独自の画風を確立しました。
最後の展示室は、二代實夫妻が愛で慈しんだ品々
展示風景
秋に因んだ意匠の品々にも足が止まります。
こんなピクニックセットで紅葉狩りに出かけてみたい。
展示風景
美術館屋上階には茶室「古香庵」があり、気軽に茶の湯を体験することもできます(事前申込制)。
靴を脱いで茶室にあがり、座してゆっくり見渡せば・・・。