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2024年11月1日
「家紋と和菓子のデザイン展」/虎屋 赤坂ギャラリー
とらや 赤坂店外観
虎屋 赤坂ギャラリー(東京・港区)にて、企画展「家紋と和菓子のデザイン展」が開催中です。
本展では、手描きの家紋の技術を伝承する「京源(きょうげん)」の協力のもと、家紋と和菓子のデザインの共通点を紹介します。
家紋とは、苗字とは別に代々受け継がれてきた家の印のこと。そう言われてもすこし難しいので、下の画像をご覧ください。
[ひらがな盛衰記] 歌川国貞(1世) 五渡亭国貞画 文政09(1826)9 東京誌料 東京都立図書館
http://archive.library.metro.tokyo.jp/da/detail?tilcod=0000000003-00011474 (閲覧日:2024年3月14日)
江戸歌舞伎の代表的な家系、市川團十郎の姿を描いた作品です(本展での展示はありません)。
彼が着ている着物に注目。四角を重ね合わせたような模様がありますね。こちらが家紋です。
ちなみに、着物の紋の名前は「三升紋(みますもん)」といい、市川團十郎家の定紋(じょうもん*)です。
*定紋:家々で定まっている正式な家紋のこと。
貴族のみが使用を許されている西洋の紋章とは異なり、日本の家紋は誰もが持つことができます。
使用に関しても自由度が高く、複数の家紋を持つことや、個人で紋を持つことも可能。
そのため江戸時代には、自分が推している歌舞伎役者の家紋を小物に入れて、自分だけのオリジナルグッズを作る人もいたのだとか。
市川團十郎の三升紋は、とても人気がある家紋のひとつだったそうです。
日本の家紋には、鶴や亀など長寿をイメージする動物や、「この紋所が目に入らぬか」でおなじみの徳川家家紋の三つ葉葵、さらに三つ巴(みつどもえ)といった模様など、実にさまざまなデザインがあります。
なんとその数、約5万種類!
家紋のデザインは、家族の歴史の象徴として、また着物や身の回りの小物の模様として、長く親しまれてきました。
また和菓子に共通するデザインも多く見られます。
展示会場では、家紋と、虎屋に伝わる菓子見本帳の絵図を並べて展示。
家紋の細かい線などに注目して、鑑賞してみてください。
一部、実物の和菓子も展示しています。菓子見本帳に描かれたお菓子と見比べると楽しいですよ。
たけのこ、超リアルでびっくり
壁面のパネルには、歴史の教科書で一度は見たことのある家紋や、ひねりの利いたユニークなデザインの家紋もずらりと並びます。
「豆蔵桐(まめぞうぎり)」は、江戸時代の大道芸人の「豆蔵」に由来する家紋と言われています。
人の形を植物の桐に見立てて作られたこの家紋。下に小さく書かれている英語訳「Entertainer Mamezo」は、本展企画担当者たちがひねり出したものなのだとか。
英語訳がない家紋は、今回オリジナルで付けたそうです。
デザインや日本語名とあわせて、英語名にも注目して鑑賞してみてください。
紋の形を細部まで正確に伝えたいという思いから発行された、家紋の集大成『平安紋鑑(へいあんもんかん)』。
本展では、その初版本を展示しています。
一部のページのレプリカも作成し、実際にめくって楽しむことができますよ。
『平安紋鑑』は、令和改訂版も発売しているのだそう。家紋に携わる人にとってはバイブルだといいます。
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子孫繁栄や富貴、長寿などの願いが込められた多様な家紋と、和菓子のデザインの共通点を紹介する企画展「家紋と和菓子のデザイン展」。
展示会場の出入り口では、家紋に関するアンケートも実施中です。
アンケートは、こちらに設置されているQRコードを読み込んで答えることができます。
お気に入りの家紋や、おすすめの家紋について、ぜひ投稿してみてください。
2階の「とらや赤坂店」では、京源が著した『紋の辞典』も販売中。本展をきっかけに家紋に興味を持った方は、こちらも購入してみては?