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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
「イトウ先生と美術のさしすせそ」は、最近アートが好きになった編集者のミワちゃんが、イトウハジメ先生に美術について質問したり、ああでもないこうでもないと話したりする不定期連載です。
静物画の面白さが分からないというミワちゃん。これはイトウ先生の出番でしょうか・・・!?
イトウハジメ。中学の美術講師の日常を、繊細なイラストで投稿したInstagramが大人気に。現在は大学で教壇に立ちながら、美術教育に関する研究をしています。
『美術学生イトウの足跡』『美術学生イトウの微熱』/イースト・プレス その他著書『イトウ先生の世界一わかりやすい美術の授業』/光文社 『イトウ先生、授業の時間です。』『放課後のオレンジ』/KADOKAWA 『美術学生イトウの青春』『僕と小さな怪獣』/イースト・プレスなど。
西洋美術の長い歴史の中で、絵画の王道といえば、宗教画や神話画、歴史画でした。より現実的な趣向へ進んでいったのが17世紀頃。風景画や風俗画と共に、静物画というジャンルが出現します。
静物画といえば、ぜひ見ていただきたいのが18世紀フランスで活躍したシャルダンの絵。驚くべき正確さと繊細さで描きあげられた彼の作品の多くは、食卓や子どもなど素朴な日常がテーマとなっています。
ぼくは彼の絵の前に立つと、不思議な透明感と深い愛情に包まれるように感じます。コップの中に入った水は、どんなにひんやりとして喉をとおるか・・・。見るだけで目と心が洗われるようですね。
「静物画なんて退屈!」と思うなかれ。
実はモチーフによって意味が存在したりします。ドクロで「人生の儚さ」を描いたヴァニタスや、高級食材のロブスターは、それを描くことで権力を表現しています。そういうことが分かると、ちょっと面白く感じませんか?
シャルダン先生の《水差しとコップ》は、彼の写実力がよ~く分かる作品です。
みずみずしいコップの水じっと見ていると・・・なんだか喉が渇いてくる!静物画だからこそ画家の表現力がよく見てとれるんです。
次回もお楽しみに!