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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―/山種美術館
近現代の日本画を専門に所蔵する山種美術館。創立者・山崎種二が日本画家と親しく交流しながら蒐集されたコレクションは、高い質を誇っています。
同館は、美人画の名手である女流画家、上村松園(うえむら しょうえん、1875-1949)と、その長男で生誕120年を迎える上村松篁(うえむら しょうこう、1902-2001)に焦点を当てた特別展が開催中です。
【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界― 展示風景より
本展は、山種美術館が所蔵する松園の美人画と松篁の花鳥画、さらには松篁の長男である上村淳之の作品のほか、同時代の画家による優品の数々を展示しています。
美人画と花鳥画が織りなす華やかで優美な世界を堪能できる展覧会です。
※展覧会情報はこちら
上村松園は、生涯にわたり気品あふれる女性像を描いた美人画の名手です。江戸や明治の風俗、和漢の古典などをテーマにした美人画を描いて京都画壇で活躍し、1948年には女性として初めて文化勲章を受章。
【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界― 展示風景より
山崎種二が、松園と交流しながら蒐集した作品は、代表作《砧》《牡丹雪》を含む屈指の松園コレクションとして知られています。
展示風景より左、上村松園《牡丹雪》1944(昭和19)年 絹本・彩色
《牡丹雪》は、どんよりとした雪空の下、うつむいて歩く娘たちの姿を描いた作品です。手を袖の中に入れて傘を差していますが、寒さが伝わってきますね。
上部の余白を十分にとったことで、空の広がりや冬の寂しい感じが見事に表現されています。はらはらと儚げに舞う雪にも注目です。
また、松園の長男・上村松篁は、花鳥画を得意としました。洗練された格調高い花鳥を描き続け、京都画壇をけん引しました。
【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界― 展示風景より
松園の代表作《砧》《牡丹雪》をはじめとする全18点、ならびに松篁の逸品《白孔雀》を含む全9点が一堂に会す展示は、今回が初めて。ぜひこの機会に鑑賞してみてください。
格調高い花鳥画を描いた松篁。物心つくころには花鳥画家を目指していたといいます。母・松園からは絵の描き方を教わることなかったものの、作品から感じられる「品の良さ」や修行への真摯な態度などは、身をもって示されたそうです。
【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界― 展示風景より
京都で活躍した松園、松篁、そして現在も京都画壇をけん引する、松篁の息子である淳之の作品も展示。
《白い雁》(画像左作品)からも、上村家の画家たちが生み出す「品の良さ」を感じ取ることができますよ。
親子三代の作品を一度に東京で観られる貴重な機会です。
「西の松園、東の清方」と称された鏑木清方(かぶらき きよかた)やその弟子・伊東深水(いとう しんすい)、松篁と同時代に活躍した山口蓬春(やまぐち ほうしゅん)らによる作品もあわせて展示されます。
山口蓬春《錦秋》1963(昭和38)年 紙本・彩色 ©公益財団法人 JR東海生涯学習財団
散り積もった紅葉の上に2羽の鳥が配置された《錦秋》。蓬春は自然を深く愛していました。本作に描かれた鳥はキセキレイで、キセキレイと紅葉をテーマに描いた作品がほかにも残されているそうです。
【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界― 展示風景より
現代の日本画壇にも大きな影響を与えた三輪良平の美人画なども展示。三輪良平の描く舞妓は、舞妓たちがいる京都祇園でも大変人気があったそうですよ。
上村松園・松篁に焦点を当てた本展。
美人画と花鳥画の名品がジャンルや時代を超えて融合する、優美な空間です。日本画の展示にあわせて設計された美術館で、美術鑑賞を楽しんでみてはいかがでしょうか。