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2024年11月1日
ルネサンス期を代表する芸術家として知られるラファエロ・サンティ。
優美な聖母子像や壮大な壁画で人びとを魅了し続けるラファエロの作品は、今もなお多くの人びとをひきつけています。
今回の「10分でわかるアート」では、天才画家「ラファエロ・サンティ」について詳しくご紹介していきます。
ラファエロは、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと並んで「ルネサンスの三巨匠」と呼ばれる画家です。
1483年、イタリアのウルビーノに生まれたラファエロは、若くして才能を開花させました。
ダ・ヴィンチの繊細な明暗法や、ミケランジェロの力強い人体表現などを観てきたラファエロ。
これら先輩画家たちの技術を吸収しつつ、ラファエロは独自の優美な画風を確立していきます。
柔らかな表情や優雅な姿勢、調和のとれた構図が特徴的で、「神聖な画家」とも呼ばれるようになりました。
ラファエロの代表作といえば、まず挙げられるのが《アテナイの学堂》でしょう。
ヴァチカン宮殿の「署名の間」に描かれたこの壁画は、古代ギリシャの哲学者たちが一堂に会するようすを描いています。
中央に立つプラトンとアリストテレスを中心に、50人以上もの人物が配置された壮大な構図は圧巻です。
次に紹介したいのが《聖母の婚礼》。
ラファエロの初期の代表作で、聖母マリアとヨセフの結婚の場面を描いています。
中央に立つ二人を取り巻く人びとの表情や動きが生き生きと表現されており、ラファエロの人物描写の才能が遺憾なく発揮されています。
最後に、ラファエロの遺作となった《キリストの変容》。
キリストが光り輝く姿に変容するようすを描いた本作は、ラファエロの晩年の技術の集大成といえるでしょう。
上部の神々しい場面と下部の人間ドラマの対比が印象的です。
西洋絵画を学ぶなら、まずはラファエロを知ることが大切です。
その優美な画風は後世の画家たちに大きな影響を与え、長らく模範的な作風とされてきました。
しかし、ラファエロ自身も先人の作品から多くを学んでいたのです。
特に、自分より年上のダ・ヴィンチとミケランジェロには強い憧れを抱いていたようです。
2人が得意とした技法をラファエロなりに消化し、自身の画風に取り入れていきました。
天才たちの切磋琢磨が、ルネサンス芸術をより豊かなものにしていったのでしょう。
ラファエロは画家としてだけでなく、人間的な魅力も抜群だったようです。
端正な顔立ち、豊かな教養、そして芸術家らしからぬ運動神経の良さ。
まさに、モテる要素を兼ね備えた理想の男性だったのでしょう。
弟子たちはもちろん、教皇からも好かれる人柄。
枢機卿は自分の親戚の女性とラファエロを結婚させようとしたそうです。
しかし、ラファエロ本人は結婚には至りませんでした。
なぜなら、彼自身が女性好きだったからです。
昼も夜も女性に囲まれる生活を送り、一人の女性を愛する「結婚」よりも、恋人や愛人という関係を好んだようです。
制作現場でも女性とイチャイチャしていたとか。
真面目な弟子たちは、目のやり場に困ったかもしれませんね。
ルネサンスの三巨匠の一人、ラファエロ・サンティ。
ダ・ヴィンチやミケランジェロの影響を受けながらも、独自の優美な画風を確立した彼の芸術は、今なお多くの人びとを魅了し続けています。
《アテナイの学堂》の壮大な構図、《聖母の婚礼》の生き生きとした人物描写、そして《キリストの変容》の神秘的な表現。
これらの代表作を通じて、ラファエロの卓越した技術と豊かな感性を感じ取れるでしょう。
さらに、モテ男だったというエピソードも、ラファエロをより身近に感じさせてくれるかもしれません。
芸術家としての才能と人間味あふれる魅力、両方を備えていたのがラファエロなのです。
美術館でラファエロの作品を見かけたら、ぜひじっくりと鑑賞してみてください。
優雅な人物描写や調和のとれた構図に、きっと心を奪われることでしょう。
ラファエロの世界観に浸ることで、西洋美術の魅力をより深く理解できるはずです。
【参考書籍】
・ミニマル+BLOCKBUSTER 『いちばんやさしい 西洋美術の本』 株式会社 彩図社 2021年
・世界の名画シリーズ編集部 『西洋絵画の巨匠100人:②ルネサンスからバロックへ』 楽しく読む名作出版会 2021年
・中村文香『西洋美術史の旅: ルネサンスから近代までの物語』2024年
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