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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
「イトウ先生と美術のさしすせそ」は、最近アートが好きになった編集者のミワちゃんが、イトウハジメ先生に美術について質問したり、ああでもないこうでもないと話したりする不定期連載です。
日本美術に興味が出てきたミワちゃんに、イトウ先生が何やらプレゼントをくれました。開けるとそこには・・・?
イトウハジメ。中学の美術講師の日常を、繊細なイラストで投稿したInstagramが大人気に。現在は大学で教壇に立ちながら、美術教育に関する研究をしています。
『美術学生イトウの足跡』『美術学生イトウの微熱』/イースト・プレス その他著書『イトウ先生の世界一わかりやすい美術の授業』/光文社 『イトウ先生、授業の時間です。』『放課後のオレンジ』/KADOKAWA 『美術学生イトウの青春』『僕と小さな怪獣』/イースト・プレスなど。
日本美術の魅力は、一言で表すなら「さりげない」の中にあると思います。「さりげない」とは、その時代を生きた人びとの生活に、空気のように当たり前の顔をして溶けこんでいる、という意味です。
ヨーロッパで「ジャポニズム」という一つの流行を生み、ゴッホやモネを憧れさせた浮世絵は、日本からの荷物のすみっこでくしゃくしゃにしわをつけて運ばれました。その浮世絵とは、小さな国の貧しい人びとが、生活を楽しみ、喜びを共有し、美意識を形成するための、ささいな知恵のひとつだったでしょう。しかしこの「さりげない」手間を加える心が、日本美術の大きな個性だと思います。
江戸時代、庶民の娯楽だった浮世絵。推しの役者を描いた浮世絵をコレクションしたり、旅先の風景が描かれた浮世絵をお土産にしたり・・・当時はかけそば一杯分の値段で買えたそうです。
そんなささやかな楽しみだった浮世絵が、海を渡って西洋の画家に影響を与えていたとは!豊かではなく、時には倹約を強いられることもあった江戸時代。だからこそ生まれた「さりげない」美意識を、西洋の人びとは敏感に感じ取ったんですね。
3回にわたって日本美術の魅力をお伝えしましたが、いかがでしたか?
次回は画家と、そのモデルの関係性についてイトウ先生に聞いてみたいと思います。お楽しみに!