印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵/東京都美術館

知られざるアメリカ印象派。ウスター美術館から初公開作品が来日【東京都美術館】

2023年11月7日

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵/東京都美術館

「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」が東京都美術館にて開催されます。

日本で絶大な人気を誇る印象派

およそ150年前、モネやルノワールなどを筆頭にフランスで生まれた芸術運動ですが、実はアメリカでも花開いていたことをご存知ですか?

本記事では開催に先駆けて、本展の見どころや気になるグッズ、オフィシャルサポーターや音声ガイドなどについてご紹介します。

印象派はフランスからアメリカへも影響を及ぼした?

本展では、これまで日本であまり紹介されてこなかったアメリカ印象派について取り上げます。

印象派は、約150年前にフランスで生まれました。モネ、ルノワールなどは日本でも高い人気を誇っていますよね。

当時のパリには国外から多くの画家が芸術を学びにきており、印象派に触れた各国の画家は、この新しい技法や考え方を、自国へ持ち帰って発展させました。

アメリカの印象派では、戸外制作という印象派の技法を活かしつつ、ニューイングランドの田園風景や西部の自然など、アメリカらしい主題にも応用しました。

ウスター美術館って?

今回展示される作品は、ウスター美術館から来日するものを中心に構成されています。


ウスター美術館外観
Photo courtesy of the Worcester Art Museum

ウスター美術館は、アメリカ・マサチューセッツ州の中でボストンに次ぐ第2の都市ウスターにあります。
同館は、125年前の開館から印象派の作品を積極的にコレクションしてきました。

広く知られるヨーロッパの印象派と、知られざるアメリカ印象派の画家たちの作品が並ぶ貴重な本展。

モネやルノワール、セザンヌなどフランスの印象派、ハッサムらのアメリカ印象派に加えて、ドイツや北欧の作家、国際的に活躍したサージェントなども紹介。


ポール・セザンヌ《「カード遊びをする人々」のための習作》1890-92年 油彩、カンヴァス ウスター美術館
Museum Purchase, 1931.104/Image courtesy of the Worcester Art Museum


ジョン・シンガー・サージェント《キャサリン・チェイス・プラット》1890年 油彩、カンヴァス ウスター美術館
Gift of William I. Clark, 1983.36/Image courtesy of the Worcester Art Museum

また、ウスター美術館のコレクションはほとんどが日本初公開となります!

アメリカ印象派を代表する画家たち

アメリカ印象派を代表するチャイルド・ハッサム。ハッサムの作品は本展では4点展示予定です。


チャイルド・ハッサム《花摘み、フランス式庭園にて》1888年 油彩、カンヴァス ウスター美術館
Theodore T. and Mary G. Ellis Collection, 1940.87/Image courtesy of the Worcester Art Museum

木漏れ日のまだらな光の表現や大胆な筆づかい。
ハッサムが印象派にインスパイアされ、自分のテクニックに応用させたことが見てとれます。

また、メアリー・カサットの作品も紹介。


メアリー・カサット《裸の赤ん坊を抱くレーヌ・ルフェーヴル(母と子)》1902-03年 油彩、カンヴァス ウスター美術館
Museum Purchase, 1909.15/Image courtesy of the Worcester Art Museum

カサットはアメリカ人で唯一印象派展に参加した画家としても知られていますよ。

《睡蓮》もウスター美術館から来日!

クロード・モネは印象派の巨匠として広く知られています。

中でも連作の《睡蓮》は代表作のひとつですが、その総数は200点を超えます。


クロード・モネ《睡蓮》1908年 油彩、カンヴァス ウスター美術館
Museum Purchase, 1910.26/Image courtesy of the Worcester Art Museum

本展で展示される《睡蓮》は、1909年にパリの画廊で発表された連作のひとつ。
絵の中心に睡蓮が描かれておらず、周囲の木々や空を水面の映り込みによって見せる本作の表現は、当時とても前衛的なものでした。

この画廊で発表された際、ウスター美術館の初代館長も訪れており、翌年に購入が実現しました。

これは大変早い《睡蓮》の収集であり、美術館としての購入は世界初だそう!ウスター美術館の審美眼が垣間見えますね。

モネの作品を見て、当時のアメリカの画家たちは何を感じ、影響されたのか?そんなことを考えながら鑑賞してみてくださいね。

オフィシャルサポーター

本展のオフィシャルサポーターには、俳優の鈴鹿央士さんが就任しました。

アメリカ印象派については知らなかったという鈴鹿さん。音声ガイドのスペシャルトラックにも初挑戦するそうですよ。

また、音声ガイドのナレーターは声優・速水奨さんが担当します。
(貸出料金:650円)

グッズは売り切れ必至です

大人気のブランド「フェイラー」のシュニール織のハンカチは、印象派の大胆な筆づかいが感じられるようです。これは絶対欲しい!


また、オリジナルのウスターソースも登場。ウスターソース発祥の地であるイギリスのウスターと、アメリカのウスターが姉妹都市というところから生まれたユニークなグッズとなっています。

その他にも色々なグッズがあるので、公式サイトやSNSのチェックを忘れずに!

印象派の世界的な広がりを紹介する本展。2024年、最初の大注目の展覧会になりそうです!

本展は東京展ののち、郡山展(郡山市立美術館)、八王子展(東京富士美術館)、大阪展(あべのハルカス美術館)と全国巡回します。

This exhibition was organized by the Worcester Art Museum

Exhibition Information

展覧会名
印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵
開催期間
2024年1月27日~4月7日 終了しました
会場
東京都美術館 企画展示室
公式サイト
https://worcester2024.jp