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2024年11月1日
和田誠展/東京オペラシティ アートギャラリー
絵本の挿絵から演劇の台本、作詞まで。幅広いジャンルの仕事で活躍した和田誠の展覧会が開催中です。
本展では、和田の仕事を網羅して紹介しつつ、和田の言葉や出会った人々、幼少期に描いたスケッチなども展示。その創造の源流に迫ります。
※展覧会情報はこちら
和田誠(1936–2019)はイラストレーター、グラフィックデザイナーとして広く知られています。ゆるいタッチの絵は、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、和田の仕事はそれだけではありません。装丁家や映画監督、エッセイスト、作曲家、アニメーション作家、アートディレクターなど。才能あふれる人として、活躍をつづけました。
展示風景
本展は、和田の仕事を網羅して紹介する初めての展覧会です。あわせて和田自身の言葉や出会った人びと、幼少期に描いたスケッチなども展示し、その創作の秘密に迫ります。
和田誠と言えばやはりイラストレーション。遊び心のある筆致と優しい色づかいが特徴的です。
本の表紙や挿絵など、いたるところでその作品を目にすることができます。
展示風景
作家・星新一との仕事は、子供向けショートショートに挿絵を描いたことが始まりでした。
その後、星の作品の挿絵はほとんど真鍋博、そして和田が独占しています。その理由を和田は「多くの画家は大事な絵をオチにしてしまうから」と言っていたのだとか。
オチを描くことなく、物語を創造させる絵を描いていたのです。
展示風景
詩人・谷川俊太郎との仕事も多数展示されます。
和田は谷川と多くの作品を一緒に制作するなかで、新しい自分を発見していました。過剰な説明のない谷川の言葉によってのびのびと創作できたからだそうです。
本展では名作『マザーグース』や、初めて一緒に制作した絵本『しりとり』など、貴重な資料が並びます。
名だたる作家たちとの科学反応もぜひ間近で観てみてください。
和田はレコード、ビデオジャケット、レーザーディスク、CDなどのデザインも数多く手がけています。
自らが音楽ファンということもあり、作品をより魅力的に思わせるデザインを生み出しました。
展示風景
学生時代は、制作した架空のレコードジャケットを日宣美展に出品し、奨励賞まで受賞したのだそう。
31cm角のキャンバスに描かれた和田の多彩な表現は必見です。こちらもぜひお見逃しなく。
「似顔絵」も和田誠の仕事のひとつです。
タレントやアーティスト、スポーツ選手など、著名人を描いた似顔絵が計81点壁にズラリと展示。
展示風景
和田が似顔絵を描くことをはじめたのは小学4年生のときで、当時身近な人を描いた作品もあわせて並びます。
また、人選は聴いても好き、描いても好き、その両方を満たす人なんだとか。
誰もが知る人ばかりなので、想像力を働かせながらひとつひとつに向き合ってみても面白そうですね。
展示室を奥に進むと、これまで和田が手がけてきたポスターや雑誌の表紙などが現れます。
コンサートや映画のポスターなど、数えきれないほどの作品が並ぶ部屋は圧巻です。
展示風景
1977年から始まった雑誌『週刊文春』では表紙を40年以上、2000点以上も担当しました。
「何でもいいけど、しいて言えば都会のメルヘンかな」という編集部からの依頼から、これまでとは少し違う、かなり描きこんだイラストレーションに挑戦した和田。こちらもまとめて観ることができます。
安定したクオリティと飽きさせない工夫が散りばめられた和田の仕事。
他にも新聞や雑誌で長期間イラストレーションを手がけました。
和田誠の生涯を追いながら、その仕事をあますことなく鑑賞できる本展。
このあと、熊本から始まり4県に巡回します。関東での開催は本会場のみなので、気になる方は足を運んでみてください。