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2024年11月1日
こどものみなさまへ みんな なかまよ/ちひろ美術館・東京
ちひろ美術館・東京で開催中の展覧会「みんな なかまよ」へ行ってきました。
この展覧会はいわさきちひろ没後50年にあたり開催されてきた本年の展覧会の締めくくりで、「平和」がテーマになっています。
さぁ「平和」を考えるうえでちひろの絵は何を語ってくれるでしょうか。
突然ですが「へいわは なんにんから はじまる?」こう問いかけられたら皆さんは何と答えるでしょう。展覧会はそんな問いから始まります。
ちひろの絵に登場する子どもたちは、ひとり、ふたり、さんにん、よにんと作品によってさまざまです。
そんなちひろの絵を見比べながら「楽しそう」「悲しそう」とそれぞれの子どもたちの気持ちを想像すると答えが見えてくるかもしれません。
もちろん答えは一つではありません。わが家の子どもたちもじっと眺めて「ひとり ふたり みんな」とそれぞれちがう世界を味わっていました。
『ひとりひとり』は、谷川俊太郎の詩とちひろの絵を重ねた絵本です。
「ひとりひとり○○」が続いていく詩で、ちひろの絵と詩が一緒に展示されています。
室内には「ひとりひとり」の続きを考えるワークシートが設置されており、自由に書いて壁に掛けることができます。
ちょうどこの日はオープニングセレモニーで、いわさきちひろ記念事業団理事長の山田洋次監督が来館しており、自ら筆を執られました。
心の中の寅次郎の代筆だという山田洋次監督のワークシートも展示されておりますので是非現地で見つけてみてください。
会場では絵を見るだけではなく、みんなでいっしょに色や線や音を出すことができるplaplaxの作品も展示されており、ちひろの世界を体感できるようになっていました。
《だぁ・いー・あ!ローグ》では、円形のテーブルに6つのマイクのようなものが付いており、声を出すといわさきちひろを象徴するパステルの線や水彩の絵の具のにじみが出る仕掛けです。
それぞれが混じり合うことで一人では作ることのできない美しい色や模様が生まれました。
《スー ぽん タン しーん》は、木製のオブジェをたたいたりなでたりすることで、スクリーンにさまざまな音とともにちひろの絵や水彩の色があらわれ、みんなで即興の「合奏」をするように、ちひろの絵の世界を音とともに楽しむことができます。
《ふ_た_りのベンチ》は、ふたりの子どもがなかよくなるまでのもどかしい気持ちを描いたちひろの絵本『となりにきたこ』から着想を得てつくられたという、ふたりの関係をはかるベンチです。
クッションを移動して好きな位置にすわることができます。説明をしてくれているのは展覧会企画協力の京都大学塩瀬准教授。長男とはまだ少し距離があるようでした(笑)。
これらの展示はいずれも、自分以外の誰かとの関係性によって生まれるというところがポイントです。
音や色、そして空間を通して他人との関係性を考えることができました。
本展ではいろいろな視点、たくさんのことばで「へいわ」について考えられる仕掛けが散りばめられています。
館内約30カ所に設置されている「へいわ」についての問いもその一つ。
「へいわとはれのひ どっちがあたたかい?」「へいわはつくるもの?みつけるもの?」などちょっと変わった問いから、あたらしい平和の一面が見つかるかもしれません。
以上、ちひろの絵を通して「平和」について考える今回の展示。
大事なことは一つの答えを出すのではなく、それぞれが自分なりの「平和」を考えることだと感じました。
でもそうやって難しく考える大人を横目に、子どもたちは見て、触って、声を出して、楽しんで、ちひろが願った平和を誰よりも理解していたように思います。
いつかその手で自分の思い描く平和をつくってくれることでしょう。