国立新美術館「ルーヴル美術館展 ルネサンス」見どころ&グッズを紹介
2026年10月1日
アンドリュー・ワイエス展/あべのハルカス美術館

第1章「ワイエスという画家」展示風景
あべのハルカス美術館で、「アンドリュー・ワイエス展」が開催中です。
20世紀アメリカを代表する画家、アンドリュー・ワイエス(1917~2009)。「アメリカを描く画家」として日本でも親しまれ、その繊細で詩情豊かな作品は、多くのファンを魅了してきました。
本展は、日本では17年ぶりとなる回顧展です。
日本初公開15点を含む100点の作品が国内外から集結します。

「アンドリュー・ワイエス展」展示風景
アンドリュー・ワイエスは、戦後アメリカ美術の「前衛的動向」とは距離を置き、現実の具体的な対象を描く「具象絵画」を貫いた画家です。
その作風は「アメリカ美術のなかで位置づけるのが難しい」ともいわれる独自のもの。そこもワイエスの魅力の一つです。

左から:アンドリュー・ワイエス《マザー・アーチーの教会》1945年 フィリップス・アカデミー附属アディソン・ギャラリー、アンドーヴァー/アンドリュー・ワイエス《クリスマスの朝》1944年 マイロン・クニン・コレクション、ミネアポリス
生まれ故郷のペンシルヴェニア州と、夏を過ごしたメイン州を主な舞台に、ワイエスは身近な風景や日常を描きました。

第2章「光と影」展示風景
「光と影」は、ワイエスが向き合ってきた「生と死」を思わせる表現の一つです。
作品に現れる「光と影」「静と動」などの対比表現には、そんなワイエスの精神性が立ち現れているよう。

左から:アンドリュー・ワイエス《ブルーベリーのバケツ》1964年 ユニマットグループ/アンドリュー・ワイエス《洗濯物》1961年 カマー美術館、ジャクソンビル/アンドリュー・ワイエス《うたた寝》1963年 ファーンズワース美術館、ロックランド
何気ない日常での一コマを描いた《洗濯物》には、ワイエスを長年支えた妻・ベッツィへの、あたたかなまなざしが感じられます。
本展の大きな見どころの一つが、第3章「ニューイングランドの家―オルソン・ハウス」。
ワイエスは30年間にわたり、メイン州のオルソン・ハウスと、そこに暮らすクリスティーナとアルヴァロの姉弟を描き続けました。

第3章「ニューイングランドの家―オルソン・ハウス」展示風景
会場にはオルソン家をイメージしたセットや模型もあり、作品世界をよりリアルに体感できます。
進行性の病によって脚が不自由になりながらも、独立心を持って生きるクリスティーナを描いた、ワイエスの代表作の一つ《クリスティーナ・オルソン》。

アンドリュー・ワイエス《クリスティーナ・オルソン》1947年 マイロン・クニン・コレクション、ミネアポリス
外の陽光と中の暗闇──その境界に座るクリスティーナの髪が海風になびく描写からは、彼女の気高さや生命力が感じられます。

第4章「まなざしのひろがり」展示風景
本展のもう一つの見どころは、《ホーク・マウンテン》《乗船の一行》などの日本初公開作品です。
なかでも注目したいのは、会場の最後に紹介されている《ヒトデ》。

アンドリュー・ワイエス《ヒトデ》1986年 フィルブルック美術館、タルサ
窓越しに見える、双眼鏡を覗く妻ベッツィと彼方まで続く水平線。
“向こう側”と“こちら側”を隔てる「窓」という境界の先には広い世界が続き、こちらの想像力をかき立てられる作品です。

第5章「境界あるいは窓」展示風景
第5章「境界あるいは窓」では、ワイエスの重要な主題「境界」を切り口とした作品が展示されています。
28歳のとき、挿絵画家だった父N.C.ワイエスと幼い甥を不慮の事故で亡くしたワイエス。その経験も、彼の作品に流れる「世の無常」という死生観につながっています。

アンドリュー・ワイエス《ゼラニウム》1960年 ファーンズワース美術館、ロックランド
窓や扉、水路に張った氷などは、生と死を隔てる「境界」として描かれます。
けれども、「窓のその奥にもう一つの窓がある」描写が印象的な《ゼラニウム》からは、境界が単なる隔たりではなく、「広い世界へのつながり」でもあることが伝わってきます。
作品に触れながら、ぜひさまざまな想像を巡らせてみてください。

本展オリジナルグッズ「アンドリュー・ワイエス × スヌーピー(PEANUTS)」
『ピーナッツ』の作者、チャールズ・M・シュルツは、ワイエスのファンだったそう。そんな縁から、本展オリジナルのコラボグッズが実現しました。
落ち着いたデザインと、かわいいスヌーピーのイラストのバランスが絶妙なトートバッグやTシャツなどが揃います。

展覧会公式グッズ
図録をはじめ、ポストカードやノート、オリジナルのお香などの公式グッズも充実。
ぜひ会場で手に取ってみてください♪

第3章「ニューイングランドの家―オルソン・ハウス」展示風景
会場:あべのハルカス美術館
アクセス:
・近鉄「大阪阿部野橋」駅西改札
・JR「天王寺」駅中央改札
・地下鉄御堂筋線「天王寺」駅西改札
・地下鉄谷町線「天王寺」駅南西/南東改札
・阪堺上町線「天王寺駅前」駅
いずれの駅よりすぐ
会期:2026年10月3日(土)~ 12月6日(日)
※会期中、一部展示替えがあります。
開館時間:火~金/10:00~20:00、月・土・日・祝/10:00~18:00
※入館は閉館30分前まで。
休館日:2026年10月5日(月)
観覧料:一般2,200円(2,000円)、大高生1,800円(1,600円)、中小生500円(300円)
※( )内は15名以上の団体料金。
公式サイト:https://www.aham.jp/
A.100点の作品を堪能するなら、1時間半はみておきたいところです。
A.全5章のうち、第1章・第2章と映像展示は撮影禁止です。
第3章以降は撮影OKですが、動画撮影は禁止されています。
会場の混雑により、撮影ルールは変更される場合があります。
撮影の際は、会場内の注意事項やスタッフの指示に従って撮影してくださいね。
A.美術初心者をはじめ、西洋美術が好きな方、お出かけスポットを探している方にもおすすめです。

会場にはワイエスの作品世界や制作アトリエを再現したしつらえも
日本で17年ぶり、ワイエスの没後初めてとなる待望の回顧展。
美術初心者はもちろん、大阪で美術館巡りを楽しみたい方にもおすすめの展覧会です。
本展のテーマ「境界」は、光と闇、自己と他者、生と死──さまざまなものを隔てるだけでなく、つなぐものでもあります。
分断が進むいま、その境界の向こう側へ想像力を向けることの大切さを、ワイエスの作品は伝えてくれるようでした。
ぜひ会場で、お気に入りの一枚を見つけてみてください。