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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
日本には、美術館・博物館がたくさん存在しています。
年に何度か足を運んだり、旅先でお楽しみとして訪れたり・・・素敵な館が全国のさまざまな場所にありますよね。
「学芸員の太鼓判」は、全国の館の自慢の名品を詳しく知りたい! そんな想いから生まれた企画です。本連載では、全国の美術館・博物館の自慢の所蔵品を詳しくご紹介。
今回は、子どもは楽しく大人は懐かしい、貴重なテディベアを多数展示する「伊豆テディベアミュージアム」の所蔵品を紹介します。
伊豆テディベアミュージアム
伊豆テディベアミュージアムは海にほど近く、緑に囲まれた気持ちの良いロケーションに位置しており、伊豆への観光客やテディベア・ファンに広く愛されています。
ミュージアム内では、ギネスブックにも載っている「テディガール」をはじめ、世界のテディベア作家たちの作品であるアーティストベア、貴重なアンティークベアなどを多数展示。
テディベアの展示はもちろん、ぬいぐるみづくりができるワークショップや、美味しくてかわいいクッキーショップ、英国スタイルのティールームにミュージアムショップと、見どころが満載です!
今回詳しくお話を聞いたのは、同館で広報担当として来館者のご案内や企画展の展示業務などを行う岡めぐみさんです。
伊豆テディベアミュージアムが誇る作品、そして岡さんイチオシの作品をお聞きしました!
公式サイトはこちら
《テディガール》1904年製作 シュタイフ社
テディガールは、テディベア・メーカーとして知られるドイツのシュタイフ社が、創業初期である1904年に世に送り出しました。持ち主であった故ボブ・ヘンダーソン英国陸軍大佐は有名なベア・コレクターとして有名でしたが、「テディガール」は幼年時から一緒だった最愛のベアでした。
1994年12月、ロンドン・クリスティーズのオークションで世界中の注目の的となった「テディガール」。世界中のテディベア・ファンに知られていた彼女は、熱のこもった競り合いの後に、伊豆テディベア・ミュージアムに招かれることになりました。
1904年に製作されたテディガールは、100歳超え! しかし、100年以上経っているとは思えないシナモン色の美しくふさふさなモヘアが、見る人の心を癒してくれます。
また、テディベア史上一番高額で落札されたエピソードもとても有名です。その価格は日本円でなんと1,800万円!(1994年12月当時) ギネスブックにも掲載されていますよ。
作品のポイント
・ベア・コレクターが愛した愛らしさ
・シュタイフ社初期に製作、現存する貴重な1体
持ち主であったボブ・ヘンダーソンは、どこに行くにもテディガールを連れていきました。それは、彼が成長してからも変わらぬことで、陸軍に入隊し、第二次世界大戦におけるノルマンディ上陸作戦に参加した折にも、彼はテディガールを同行させました。ヘンダーソン大佐は、多くのテディベア・ファンと同じように、喜怒哀楽を共にする親友としてテディガールを大切にしたのでした。
陸軍を引退したあとは、『こころの支えを必要としている人々にテディベアを贈る運動 =Good Bear of the World』に共鳴し、「テディベアの日=グッドベア・デー」(10月27日)の制定を推進しました。そして、心の支えを必要としている人にテディベアを贈る運動を実践し、多くの人びとがテディベアのぬくもりによって心が癒されました。
伊豆テディベア・ミュージアムは彼の意思を引き継ぎ、開館以来毎年10月27日、地域の特別支援学級の生徒へテディベアを贈る活動を続けています。
《小さな小さなテディベア・ショップ》星野志眞子
テディベアを主人公にした立体絵本の1ページのような、架空のショップ兼アトリエは、ドールハウス作家である星野志眞子の作品です。
飾り棒や金具類、ランプなどをのぞき全てが作者の手づくりで仕上げられています。ショップ中央のベアの前に置かれたティーカップ、レジ横のキーチェーン、手前に下げられたペンダント、壁のハンガー、さらにはアトリエにあるハサミや裁縫道具、糸やパーツなど、小さな小さな世界の中に込められた大きな夢をご覧ください。
世界最小とも言えるテディベアのネックレスなど、細部にこだわって製作されたミニチュアテディベアショップ。製作にはなんと一年を費やしたそう! ぜひすみずみまでご覧ください。
また、来館されるお客様のアンケートで一番のお気に入りに選ばれた作品とのこと。小さな世界の大きなこだわりに、感動すること間違いなしです。
作品のポイント
・テディベアのミニチュア世界にうっとり♪
・アトリエ内に置かれる小さな小道具にも注目
今回ご紹介した2点の作品は、常設されているのでいつでも鑑賞することができます。テディガールをはじめとする初期のアンティークベアやテディベア作家が手がけたテディベア、特別企画展など盛りだくさんです。いつ行ってもテディベア・ワールドを満喫することができますよ。
テディベアの魅力をあますことなく堪能できる、伊豆テディベアミュージアム。
2020年夏には、新館「テディベアファクトリー」が誕生しました。テディベアファクトリーでは、熟練のスタッフがぬいぐるみを手作りする制作風景を見ることができます。
また、ご自身の手でテディベアを作ることができる大人気のワークショップも開催しています。テディベアの優しい温もりに触れたあとは、世界に一つの自分だけのテディベアを作ってみませんか?
これからの行楽シーズンのお出かけにいかがでしょうか。大人も子どもも楽しめること間違いなしです!
次回は、すみだ北斎美術館の自慢の名品をご紹介します。お楽しみに!