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2024年11月1日
月に吠えよ、萩原朔太郎展/世田谷文学館
日本の近代詩を代表する詩人、萩原朔太郎(はぎわら さくたろう、1886-1942)の没後80年を記念する展覧会が世田谷文学館(~2023年2月5日まで)で開催中です。
本展では、萩原朔太郎に関する資料約100点のほか、美術作家によるオマージュ作品約60点の総数約160点から、詩人・萩原朔太郎の魅力に迫ります。
萩原朔太郎は1886年11月1日、群馬県前橋市に生まれました。名前は朔日(ついたち)生まれの長男であることから「朔太郎」と名付けられたといいます。
前橋中学在学中より「文庫」「明星」などに短歌を投稿。その後、生涯の友となる室生犀星(むろうさいせい、1889-1962)の詩に感動して詩作に入り、北原白秋(きたはらはくしゅう、1885-1942)主宰の「朱欒(ザンボア)」に「みちゆき」ほか詩5編が掲載されて詩壇デビューを果たしました。
そして1917年、口語自由詩を確立した詩集『月に吠える』を刊行し朔太郎は近代詩に一時代を画します。
金井田英津子『猫町』1997年 個人蔵
1931年には下北沢へ移住。朔太郎は晩年、この世田谷の地で過ごしました。
世田谷で書かれた短編小説に『猫町』があります。本展では『猫町』をプロローグに、4章に分けて彼の生涯や作品を紹介。展示空間も一冊の本を巡るようなユニークな構成になっています。
「TOLTA(トルタ)」は、河野聡子、佐次田哲、関口文子、山田亮太の4名からなるヴァーバル・アート・ユニットです。
詩を中心とした言語作品の多様なあり方を探求し、「言葉」との関わりを軸にしたインスタレーションやパフォーマンスを制作しています。
TOLTA《月が出ているから犬が吠える》(連作「地面の底の朔太郎の顔」より)2022年
本展では、朔太郎にちなんだ連作「地面の底の朔太郎の顔」を展示。会場内に点在する6つの作品で構成される本作は、見て、聴いて、触れて、さまざまな角度から新しい朔太郎を発見するための試みです。
こちらの《月が出ているから犬が吠える》には、50個あるつみきの4面に詩集『月に吠える』から着想されたフレーズが書かれています。
つみきを自由に並べかえたり、重ねたりして朔太郎の詩のフレーズから新しい言葉を作るインスタレーション作品です。
TOLTA《月が出ているから犬が吠える》(連作「地面の底の朔太郎の顔」より)2022年
朔太郎の詩にはきれいなフレーズが多いため、どの言葉を組み合わせても素敵な言葉ができやすいのだそう!皆さんも自由な発想で、朔太郎の詩のフレーズを組み合わせて自分だけの言葉を作ってみましょう♪
自動からくり人形作家「ムットーニ」こと武藤政彦の《猫町》をはじめとする、からくり人形作品も展示しています。
ムットーニ《猫町》1994年 世田谷文学館蔵
音楽や光、本人の語りなどが重なり合う「ボックス・シアター」スタイルを確立したムットーニのからくり人形作品。その独自の技法で表現された物語や世界観は、他に類のないアート作品として多くの人びとを魅了しています。
世田谷文学館ではムットーニ作品を10台所蔵しています。本展では他の施設が収蔵しているものも含めその中から、朔太郎の詩の世界から着想を得た不思議なからくり人形作品を紹介します。
(左)ムットーニ《題のない歌》2016年 世田谷文学館蔵
(中央)ムットーニ《風船乗りの夢》2020年 前橋文学館蔵
(右)ムットーニ《殺人事件》2018年 前橋文学館蔵
また、同時期開催のコレクション展「下北沢猫町散歩」の「ムットーニのからくり劇場コーナー」では、《山月記》や《蜘蛛の糸》など4台が上演されますよ◎
こちらも企画展示と一緒に観てみては?
※開館時間中毎時30分から上演。混雑時は観覧制限あり。
日本の近代詩を代表する詩人、萩原朔太郎に関する資料や、その作品世界を新しい形で表現した現代アーティストたちの作品などから朔太郎の魅力に迫る本展。
世田谷文学館は、全国で横断的に開催される萩原朔太郎没後80年記念「萩原朔太郎大全 2022」参加館です。
同館のほかにも、さまざまな美術館や文学館などが「萩原朔太郎」に関する展覧会を開催中!その一部をご紹介します♪
【萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち前橋文学館】
【田端文士村記念館】
こちらの展覧会にも、足を運んでみてはいかがでしょうか。
その他の詳しい情報は「萩原朔太郎大全2022」公式サイトをご確認ください。
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
〆切は2022年10月30日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。