異端の奇才──ビアズリー展/三菱一号館美術館

オーブリー・ビアズリー、25年の人生を振り返る展覧会が東京で開催中【三菱一号館美術館】

2025年2月27日
オーブリー・ビアズリー、25年の人生を振り返る展覧会が東京で開催中【三菱一号館美術館】

(左)オーブリー・ビアズリー クライマックス/(右)オーブリー・ビアズリー 踊り手の褒美 いずれも、1893年(原画)、1907年(印刷) ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

19世紀末のイギリスで活躍した画家オーブリー・ビアズリー(1872-1898)
わずか25歳と、とても短い人生の中でビアズリーは、1000点以上の作品をこの世に残しました。

2025年2月15日(土)より、三菱一号館美術館にて、ビアズリーの画業の全貌を紹介する展覧会「異端の奇才──ビアズリー」展が開催中です。

(左)オーブリー・ビアズリー《「筆名叢書と本名叢書」の宣伝ポスター》1894年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 (中)オーブリー・ビアズリー《アヴェニュー劇場公演の宣伝ポスター》1894年  ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 (右)オーブリー・ビアズリー《T.フィッシャー・アンウィン社刊「子供の本シリーズ」の宣伝ポスター》1894年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

本展は、世界有数のビアズリーコレクションを収蔵するヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画展です。

初期から晩年までの挿絵や希少な直筆の素描にくわえて、彩色されたポスターや同時代の装飾など、約220点の作品を展示。

「オーブリー・ビアズリー入門」ともいえる展覧会です。

駆け抜けた25年の人生
オーブリー・ビアズリーのすべてを知る

(左)フレデリック・エヴァンズ オーブリー・ビアズリーの肖像――両手をそえた横顔/(右)フレデリック・エヴァンズ オーブリー・ビアズリーの肖像――横顔 いずれも、1894年頃 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

オーブリー・ビアズリーは1872年に、イギリスの海辺の都市・ブライトンに生まれました。

父が財産を使い果たしてしまったため、裕福ではありませんでした。
一家の家計は主に母が、富裕層の子弟にピアノやフランス語を教えて支えていました。

そんな母の影響からか、ビアズリーは幼いころから音楽や絵の才能に長けていたといいます。

美術学校への入学も希望していましたが、家の経済状況からそれは叶わず・・・。
16歳から事務員として働く傍らで、夜は独学で創作に打ち込んでいました。

(手前)オーブリー・ビアズリー 五月祭で馬を駆るグィネヴィア王妃 1893-94年頃 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

仕事を終えて自宅に戻り、夜9時過ぎからろうそくの灯りをたよりに、鉛筆とペンを駆使して素描制作に没頭したビアズリー。

幼少期からの肺結核により、健康状態の悪化と闘いながらも、1000点以上の作品をこの世に残しました。

同時代の作家を魅了!
洗練された白と黒の画風

ろうそくの灯りの下で生み出された繊細な線描と、美しい白と黒の対比からなる洗礼された画風。
ビアズリーの作品は、同時代に活躍していた作家たちの目に留まります。

オーブリー・ビアズリー《「ジークフリート」第2幕》1892年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館

出世作であるトマス・マロリー『アーサー王の死』では、装幀や挿絵、頭文字、縁飾りのデザインなどを350点以上手がけました。

また当時ビアズリーは、ライン・ブロック印刷に適した描き方を独自に体得していました。

大量印刷に適したライン・ブロック印刷ですが、白か黒という平坦な色調になってしまうのが欠点でした。

ビアズリーは、その欠点を補うかのような見事な画面構成をしています。

この卓越した才能を発揮したのが、1894年2月に発表されたオスカー・ワイルドの『サロメ』の挿絵です。

異端の奇才──ビアズリー展 展示風景

本展では、『サロメ』の挿絵をずらりと展示しています。

イギリス人的「日本様式」の調度品

1860年代になると、イギリスの芸術家やデザイナーたちは、日本の文化・芸術を熱心に集めていました。

そして、そのモティーフやデザインの原理を自分たちの作品の中に吸収していきます。

こうして生まれたのが、アングロ=ジャパニーズ様式です。

異端の奇才──ビアズリー展 展示風景

1870年代、アングロ=ジャパニーズ様式は絶頂期を迎え、室内装飾テキスタイルやステンドグラスなどの製品に応用されました。

ビアズリーも『サロメ』の中に、アングロ=ジャパニーズ様式の調度品を描いています。
展示作品をじっくり観て、探してみてくださいね。

ビアズリー展オリジナルグッズも目白押し♪

ミュージアムショップ「Store 1894」で販売中の展覧会オリジナルグッズを紹介します。

展覧会図録 3,500円(税込)

本展の全出品作品をフルカラーで掲載した展覧会図録。

カバーの色は、ミント色とピンク色の2色から選ぶことができますよ。
※内容は同じです。販売状況により選べない場合があります。

目を惹く鮮やかな黄色のグッズは、19世紀を代表する文芸雑誌『イエロー・ブック』をイメージした商品です。

食べた後はインテリアにも使える「クッキーボックス」や、展覧会図録もすっぽり入る大きめのトートバッグがおすすめ♪

展覧会オリジナルグッズ以外にも、さまざまなタイアップも実施されています。

詳しくは、展覧会特設サイトをご確認ください。

「異端の奇才──ビアズリー」展 特設サイト:https://mimt.jp/ex/beardsley/

 

25年でこの世を去った画家オーブリー・ビアズリーの画業の全貌に迫る展覧会「異端の奇才──ビアズリー」展。

本展にこれから行くよという方に朗報です!

来館時に、チェック柄のアイテムを身に付けていくと観覧料が100円引きになる「#英国チェックコーデ割」があります。

洋服でも小物でもOKとのこと。
「英国チェックコーデ割お願いします」とチケット窓口のスタッフに声をかけて、ビアズリー展をお得に楽しみましょう!

※他の割引との併用不可。
※チケット窓口での購入のみ適用です。

Exhibition Information

展覧会名
異端の奇才──ビアズリー展
開催期間
2025年2月15日~5月11日
会場
三菱一号館美術館
公式サイト
https://mimt.jp/