はいからモダン袴スタイル/弥生美術館

「袴」の歴史と魅力を紹介する展覧会♪【弥生美術館】

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2026年2月24日

弥生美術館にて、「はいからモダン袴スタイル ―「女袴」の近現代―」が好評開催中です。

現代の「袴」のイメージ。卒業式で女性が着用したり、大正ロマンのかわいらしいイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?

今でこそこんなイメージを持たれる袴ですが、当初、女性の袴姿はものすごく非難を浴びていたんです。

本展では、女袴が浸透していった歴史を実際の資料とともに紹介。改めて袴の魅力に迫る展覧会となっています。

女に袴は「醜い」!?

そもそも袴とは、武士などの士族階級の男性が着用するものでした。

明治5年(1872)、「学制」という学校教育制度が始まると、学校生活を快適に送るための女子の服装として、袴が採用されました。

袴を身に着けることで、着物の着崩れや帯の窮屈さを気にしないで過ごすことができたからです。


新しい時代の「活発」な女性は憧れの的でもあり、非難の対象でもありました

しかし、最初期の女性は男物の縞模様の袴をはいており、これが大ブーイングだったそう。「男装」的とみなされ、「醜い」「国辱」(!)とまで言われたのだとか。

では、現代の女学生のイメージはどこから浸透していったのでしょうか?

それが、跡見女学校や華族女学校などの宮中にゆかりのある学校の袴姿でした。

女学生のイメージをつくった女袴

従来の袴を改良し、「女袴」の形をつくったのが、華族女学校です(のち、女子学習院)。

それまでマチがあり、紐1本で着付ける袴は動きづらくゆるみやすい、女児にとってはやや不便なものでした。

そこで改良され生まれたのが「女袴」の形でした。当時、模様は無地という指定があったものの、色は自由だったそう。中でも海老茶色が好まれたようです。

華族女学校ができる以前は、多くの皇族や華族の子女が通った跡見女学校は、紫色の袴がシンボル(画像右)。

女学生の袴が浸透する前から通学などでも着用され、世間の注目を集めました。

東京女子師範学校(現:お茶の水女子大学附属高等女学校)の袴姿は、腰のベルトが特徴的です。

ベルトは明治39年(1906)に制定され、現在もお茶の水女子大学附属中学校の制服に受け継がれています。

さまざまな女学校のベルトも展示されていますよ。

次第に女学生の袴姿も浸透していきましたが、やはり非難は無くなりませんでした。

袴に多く用いられた「海老茶色」と、紫式部をもじって「海老茶式部」とひやかされることがあったそう。

また、一部の新聞や雑誌で恋愛に走った女学生を取り上げたスキャンダル記事も頻繁に出されました。

「腐敗」「堕落」「醜態」など、言い過ぎでは!?と思うほどの内容も。

新しい時代の活発な女性は、魅力的でしたが同時に少数派で目立つ存在でもありました。

そのため、憧れと嘲笑、どちらの対象にもなったのです。

袴姿は憧れ!さまざまな表現

憧れの女学生は、多種多様に描かれました。日本画はもちろん、洋画や近代的なメディアであった新聞、雑誌など。

高畠華宵の代表作でもある「移りゆく姿」には、明治から昭和10年頃までの女性風俗の移り変わりが描かれています。

展示されているのは右隻の複製で、女官を含め5人の袴姿が描かれています。一方、左隻には袴姿がいないそうで、女学生の袴姿が減っていったことがわかります。

華宵が描いた袴姿の女学生の挿絵もずらりと展示!

あまりイメージがありませんが、膝下丈ほどの袴姿も見られたそうです。繊細な表現を是非間近で見てみてくださいね。

スフマート編集部のお気に入りはこちら!女学生の必須アイテム、リボンです。大きなリボンをつけたハイカラな姿は、まさに私たちがイメージする「大正モダン」ではないでしょうか?

リボンと合わせた流行の髪型もあったようです。いつの時代も女学生のおしゃれしたい気持ちは変わらないのですね。

その他、宝塚の伝統である「緑の袴」も展示。こちらは元宝塚歌劇団花組・天真みちるさんのものだそう。

音楽学校の卒業や劇団への入団、卒業などに着用されるという宝塚のシンボルも必見です。

現代の袴イメージ

大きなリボンに袴姿のかわいらしい女学生・・・このイメージを決定づけたのは、やはり「はいからさんが通る」ではないでしょうか?

歴史ものはウケないという編集部の意見を押し切りスタートしたこの連載は大ヒットし、テレビアニメ、ドラマ、映画などにもなり、宝塚歌劇でも上演されました。

主人公・紅緒が袴をはいていたのは物語の前半のみで、後半は職業婦人となり洋装になっていますが、イメージはやはり袴姿ですよね。

紅緒と親友・環をイメージしたコーディネートも展示されていますよ♪

末次由紀による大ヒット作品「ちはやふる」も、袴姿が多く登場します。

競技かるたをテーマにした本作は、「はいからさんが通る」とはまた異なり、現代に生きる女子高校生の強さと、百人一首の面白さを見事に描いています。

この漫画をきっかけに、競技人口も増えたそうです。

SNSを中心に人気を博しているイラストレーター・花月の展示も。

「現代創作和服」ではさまざまなバリエーションがありますが、袴をモチーフにしたデザインも多数です。

こんな風に現代の服と融合させたら、普段着としても着用できそうですよね。

 

女性の袴の歴史、イメージをさまざまなアプローチから紹介する本展。グッズコーナーでは、関連書籍や着物の端切れなどを販売!

お手ごろで美しい柄ばかりです。数量限定なのでお早めに!

Exhibition Information