風刺画/10分でわかるアート
2023年3月29日
出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝/東京都写真美術館

《Still Life》1993-2000年 東京都写真美術館 ©Mako Idemitu
東京都写真美術館にて、「出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝」が開催中です。
こんな方におすすめ!
✓静かな空間が好き
✓映画が好き
✓美術館が好き
出光真子(1940-)は、日本の実験映画とビデオアートのジャンルを切りひらいたパイオニア的な作家です。
本展では、東京都写真美術館が所蔵する出光の全作品を、展覧会と上映で紹介します。

《おんなのさくひん》1973年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitu
1940年、出光興産創業者・出光佐三の四女として生まれました。
大学卒業後、ニューヨークへ留学。その後再びアメリカへ渡り、そこで抽象画家サム・フランシスと結婚します。
二人の子どもを育てる母であり、妻であることを超える創造表現への強い想いから、1960年代末に当時暮らしていたアメリカ・サンタモニカで映像作品を作り始めました。
以降、フィルム、ビデオ、インスタレーションという映像形式を横断。
30年以上にわたり約50点の作品を制作しました。

展示風景
出光は、自身の経験からフェミニズムをベースに、家庭での親と子、アーティストとして女性が生きる際の社会的ジレンマなどをテーマとした作品を制作し続けています。
東京都写真美術館では、インスタレーションを含む43点の出光の作品を所蔵しています。
展示室には、液晶テレビ、スマートフォンでの映像が主流となった現代では、珍しいブラウン管テレビが並んでいます。

《英雄ちゃん、ママよ》1983年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitu
《英雄ちゃん、ママよ》は、就職して家を出た息子に異常な執着を示す母の行動を描いた作品。
この作品が発表された1980年代初めは、家庭用ビデオの新たな規格VHSが販売され、各家庭に「ビデオ」が浸透し始めた時期でした。
本作でも、息子を録画したVHSテープをリビングのモニターで繰り返し再生。さらに、母は録画された息子のために食事を用意するという驚きの行動をします。
本作で、出光はアメリカでの子育ての経験から、日本での子どもの自立を母親が阻んでしまうような関係性に疑問を投げかけています。
出光は1970年代から80年代にかけて、5点のインスタレーション作品を発表しています。

《直前の過去》2004年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitu
本作は、出光本人の写真を用いたインスタレーション作品です。
家族と戦争をテーマとした本作。今の時代でも、考えさせられる内容になっています。
なお、本作は一部刺激の強い映像が流れます。館内の注意事項を確認の上、作品をお楽しみください。

展示されているたくさんの映像作品を1日で楽しむのは、ちょっと難しいかも?
そんな方におすすめなのが、リピート割引です。
別日に本展の鑑賞済みチケットを受付に提示すると、2割引(団体料金)で鑑賞できます*。
また、本展のチケット提示で、上映プログラムも2割引されます*!
*チケット1枚につき1回限り有効
一つひとつの作品の内容もボリュームがあるので、一時間くらい鑑賞を続けると、脳が甘いものを求めるかもしれません。
別日に2割引で入れるので、鑑賞のあとに併設カフェ「フロムトップ」で、ひとやすみもおすすめですよ。
さらに、8月6日(木)~28日(金)の木・金曜日の17:00~21:00は夜間特別開館を実施。
この日は、学生・高校生が無料、一般および65歳以上の方は団体料金で入館できます*。
*学生証・年齢確認書類の提示が必要
夜間開館は、暑くて出歩けない日中を避けることができます。
今年の夏の夜は、東京都写真美術館でビデオアートの先駆け的存在・出光真子の作品を楽しんでみては?