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2026年10月1日
丸木スマ展 73歳からのアーティスト/滋賀県立美術館

滋賀県立美術館で、企画展「丸木スマ展 73歳からのアーティスト」が、2026年11月23日(月・祝)まで開催中です。
73歳で、絵筆をとり、81歳で亡くなる9年間の間、ひたすらに絵を描き続けた丸木スマ。
専門的な絵の勉強をしたことがないスマが、なぜ人の心を動かす絵を描けたのでしょうか。
本記事では、展示の実際のようすとともに、丸木スマの作品の秘密を紐解いていきます。

丸木スマは1875(明治8)年に、広島県に生まれました。
若い頃は農作業などの仕事に励み、家族の暮らしを支え続けました。
転機が訪れたのは、73歳になった1948年のことです。
画家で息子・丸木位里(いり)と、その妻で画家・俊(とし)の夫婦から勧められ、初めて絵を描くことになりました。
すると、それまで隠れていた才能が一気に開花!
描き始めてわずか数年で有名な美術展に入選し、プロの専門教育を受けていない高齢女性の劇的なデビューは、当時の美術界に大きな衝撃を与えました。

1956年に81歳で亡くなるまでのわずか9年ほどの間に、700点以上もの作品を残し、精力的に創作を続けました。

本展では、スマが描いた初期から晩年までの作品や貴重な資料を、約130点展示しています。
スマの絵の一番の魅力は、とにかく自由で色鮮やかなところ。
身近にある花や野菜、可愛らしい犬や猫、虫、そして身の回りの人びとが、自由奔放な色彩と独特のレイアウトで画面いっぱいに描かれています。

展示室には、「きれい!」「この動物、なんだかカワイイ!」と直感的に楽しめる作品が並びます。
何歳になっても自分の「好き」や「描きたい」という気持ちを持ち、生きる喜びを表現したスマの作品。
現代を生きる私たちに「もっと自由に楽しんでいいんだよ」と、力強いエールを送ってくれているかのようです。

スマの作品が放つエネルギーの秘密は、実は彼女が歩んできた人生の歴史にも隠されています。
スマは70歳のとき、広島に原爆が投下され、爆心地から約2.5kmの自宅で被爆しました。
奇跡的に命を取り留めたものの、その翌年には夫と死別するなど、とてもつらい経験をしています。
たくさんの「失われた命」を目の当たりにしたからこそ、スマは身の回りにある草木や生き物の「いのちの輝き」を、愛おしむように描き続けたのかもしれません。

会場では、スマが直接原爆の記憶を描いた数少ない貴重な作品《ピカドン》も、彼女自身の言葉とともに展示されます。

展示の最後には、体験型の創作ワークショップコーナー「絵は誰でも描ける」を設置。
子どもはもちろん、大人も一緒になってスマのように表現する楽しさを体験することができます。

滋賀県立美術館では、展示室でもしーんと静かにする必要はなく、おしゃべりしながら過ごすことができます。
「小さな子どもと一緒に鑑賞したいけど・・・」と不安に思っている方も、リラックス鑑賞することができますよ。

館内のミュージアムショップでは、本展のオリジナルグッズも販売しています。
また滋賀県立美術館は、緑豊かなびわこ文化公園の中にある美術館なので、展示を観たあとは周辺をお散歩するのもおすすめですよ。

丸木スマ展 73歳からのアーティスト
会期:2026年9月11日(金)~11月23日(月・祝)
会場:滋賀県立美術館 展示室3
開館時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日
(ただし、9/21~23、10/12、11/23は開館)、9/24と10/13は休館
観覧料:一般 1,200円、高大生 800円、小中生 600円
※未就学児無料
公式サイト:https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/12995/

81歳で亡くなるまでのわずか9年ほどの間に、700点以上もの作品を精力的に描き続けた丸木スマ。
73歳から人生を花開かせた彼女のパワフルな作品に出会えば、きっと「明日からまた新しいことを始めてみようかな」と前向きな元気をもらえるはずです。
アートが好きな人はもちろん、「最近ちょっと疲れ気味」「週末にどこかへお出かけしたいな」と思っているみなさんに、ぜひチェックしてほしい展覧会です。
この秋はちょっと足をのばして、丸木スマの芸術世界へ遊びに行ってみませんか?