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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
モネ 連作の情景/上野の森美術館
こんにちは!
美術館巡りが趣味のかおりです。
今回はなんと!この秋大注目!上野の森美術館で2024年1月28日まで開催中の「モネ 連作の情景」展へ伺ってきましたー!
日本でも人気の高い印象派の画家、モネ。
印象派やモネというと、アートにあまり興味のない人でも「聞いたことあるな」という言葉かと思います。印象派とは19世紀後半にフランス・パリで起こった芸術運動のことで、一般市民が感覚的にたのしめる作品なのが特徴です。そしてモネは、印象派の名前の由来となった作品を描いた画家です。
印象派という言葉の生まれるきっかけとなった1874年の第1回印象派展の開催から今年で150年。そんな節目の年に、モネの作品が一堂に会する、とても貴重な展覧会です。
本展の展示作品はすべてモネ作品。そして技法や材質はすべて油彩、キャンバスという、圧倒的で高密度なモネの世界観にどっぷり浸れる、濃密な時間を過ごすことができました。
展示はモネの生涯とその時々の作品を追える展示となっていて、「サロン」「印象派」などのキーワードの解説パネルもあり、作品の解説もとても丁寧でわかりやすいので、初心者の方も知識や理解を深めながら見ることができます。
作品を通してモネの世界を全身で感じ、目に焼き付け、写真にも残して(一部撮影可能な作品があります!)、だれもが120%モネの世界を楽しめる展覧会となっています。
会場に入ってすぐ、睡蓮の葉の上を歩ける体感型エリアがあります。
歩くと、自分の一歩に反応して、水面に波紋が広がり、睡蓮の葉がゆれます。
続く作品鑑賞エリアへの期待が、いやが上にも高まります…!
モネというと、やはり印象派のイメージが強く、大自然の戸外を描いた作品が思い浮かびます。今回の展覧会ではそれ以前、サロンへ積極的に出品していた頃の作品も展示されています。
《昼食》の前で挨拶する本展監修 デン・ハーグ美術館館長 ベンノ・テンペル氏
中央の大きな作品は1870年のサロンに出品された《昼食》です。
「モネっぽくないな」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
《食卓》にはのちにモネの妻となるカミーユと幼い息子ジョンが描かれています。
自信作だったにもかかわらずサロンでは落選という結果となり、伝統的な作風と決別し、印象派の作風へと移行していく契機となったといえる作品です。
右手の作品は風景画ですが、自然の風景ではなく、セーヌ川沿いのパリの都市の街並みです。現在のルーヴル美術館から許可をもらい、ルーヴル美術館のバルコニーから万国博覧会に沸くパリの都市風景を描いています。
爽やかで澄み切ったパリの風景がすがすがしい作品です。
サロンから離れたモネは、セーヌ川流域を拠点として活動し、印象派の画家として多彩な風景画を描きました。
作品の主題は、これまで描いていた人物画や近代化する都市の風景ではなく、自然や水辺の風景に変化していきます。
右の作品に描かれている緑の船は、モネが創作のために使用したアトリエ舟です。ここで絵を描くことで、水上からの低い視点を獲得しました。
この2作品は、モネが移り住んだヴェトゥイユの風景です。
ヴェトゥイユは観光客が少なく落ち着いた水辺の風景と教会をのぞむ景観がモネを惹きつけたようです。
右の作品はセーヌ川の水上に浮かべたボートの上から描かれています。
モネはまた、旅する画家でもありました。
旅先の自然豊かな風景を、同じ場所でも、視点を変えたり、人がいたりいなかったり、時間帯や天候による明るさの違いなどを克明に書き分けていく作品の数々は、続く「連作」の手法に至る萌芽がみられます。
上の3作品は、プールヴィルの断崖という同じ場所の風景でありながら、距離感、空気感、光の入り方、主題の違いなど、さまざまな要素が違う視点で描かれており、受ける印象が大きく変わるのです。
そしていよいよ、「連作」の手法を確立していきます。
最初にはっきりと現れたのが《積みわら》の連作です。
同じ《積みわら》という題材(そしておそらく同じ場所)でありながら、光の入り方がまったくちがいます。右側の作品は全面に光が差してパキッと明るく、左の作品は雲がでたのか、少し暗く影が落ちたようすがうかがえます。
会場にはもう1作品、雪の積みわらの風景もあるのでぜひ見比べてみてくださいね。
続くロンドンの《ウォータールー橋》。
同じ構図なのにこうも違う印象を与えるのかと感心します。それはつまり作品を通して画家の視点を体感しているわけで、同じ題材に対してさまざまな視点をキャッチするモネの細やかな感性と執念ともいえる集中力を感じます。
こうして作品を見比べられるのも、今回のモネ展の嬉しいところです。
最晩年に辿り着く「睡蓮」のモチーフ。
同じ「睡蓮」の題材でも、多彩な色使い、構図のちがい、光の加減、などなど、これまでのモネが存分に花開いたといえる、評価の高い作品群です。
さまざまな睡蓮の姿が情緒感たっぷりに描かれた作品たち。
《睡蓮》いうひとつのモティーフでこれだけ多彩な作品が数多く作れること、そのどれもが
この部屋はなんと撮影可能!
モネ作品、しかも《睡蓮》が、撮影OKとなっている場所は少ないので、モネ好きな方はぜひ。他の鑑賞中のお客様の邪魔にならないように注意です。
大人気のモネ展ということで、ミュージアムグッズも気合い入りまくり。目移りします!
〈睡蓮〉があしらわれたクッキー缶に紅茶。美味しいティータイムを過ごしたあとには空き箱でも余韻が味わえますね。モネの絵がプリントされた缶に入ったおかきも!
積みわらクッキーというパッケージのアイデアがかわいい。
レモネード飴缶はかわいいけど、なぜレモネード飴なのだろう?と疑問に思っていたら、まさかの「レ『モネ』ード」という言葉遊びでした…!たのしい。
PEANUTSとのコラボグッズやUNITED ARROWSとコラボのアパレルも!
かわいいグッズからシックなアパレルまであるので日常使いできること間違いなしです。
気軽に手に取れる定番のポストカードもおすすめです。
パートナーやご友人などと一緒に鑑賞されたときには、最後に好きな3枚を選んで、鑑賞後のお茶の時間に見比べて感想を言いあったりするのもたのしいですよ。
これだけのモネ作品オンリー、しかも油彩だけ!という展覧会は、今後なかなかないであろうと予想されます。
また、私個人的に、印象派の油彩は現物を見るのが圧倒的におすすめです!
絵の具のもりっと盛り上がった立体感が体感できるのはやっぱり現物だからです。身に迫る印象がまったく違います。
展覧会の会期は長いようであっという間に終わってしまうので、見逃してしまわないように、会期終了間近の混雑に巻き込まれないように、ぜひお早めに会場に足を運んでみてください!
それでは愉しいアートライフを♪
※東京展、大阪展で出品作品が一部異なります。