ヴィンテージライターの世界/たばこと塩の博物館

貴重な着火具200点でライターの歴史をたどる展覧会!【たばこと塩の博物館】

2022年9月29日

ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク/たばこと塩の博物館

私たちの生活で身近なライター。コンビニなどで手に入る使い捨てのものやちょっと渋い金属製のものを想像する方も多いのではないでしょうか。
実はライターの歴史は古く、その歴史をたどると着火の仕掛けや遊び心のあるデザインなど、さまざまな魅力が見えてきます。

現在、たばこと塩の博物館で館蔵資料のライターを約200点展示する「ヴィンテージライターの世界 炎と魅せるメタルワーク」が開催中です。

本展では、ライターの前身である着火具をはじめ、有名なメーカーが手がけた銘品や、ユニークな造形のテーブルライターなどを展示。

さらに、戦後間もない時期の国産オイルライターを展示し、たばこと塩の博物館の所在地とも馴染み深い隅⽥川周辺地域の地場産業でもあったライター産業のあゆみを紹介します。

いかに簡単に安全に火をつける?ライター発展の歴史

今でこそライターやコンロなどで火を簡単につけることができますが、こうした着火具が発展するまでにはさまざまな工夫がありました。

そもそもライターの構造は原始的な方法である「火打ち石と火打ち金とで火花を起こし、その火花を燃料に移して火を得る」という打撃法がもとになっています。

展示室のはじめでは、1920年代にオイルライターが普及するまでの歩みを紹介。オイルライター登場以前の着火具や工夫の富んだ多様なライターなども展示することにより、ライター発展の歴史を紹介します。

キジをモチーフにした着火具も!便利なだけでなく、目で見ていても楽しいですよね♪マッチのように火を扱うことができるストライカーと呼ばれる着火具は、20世紀初頭のヨーロッパで登場しました。

ライターの銘品がズラリ!

オイルライターが普及した1920年代の欧米。ポケットライターもテーブルライターもその外観が重視されるようになりました。

工夫に満ちたライター、金工の技が光るライター、優美なライターなど、さまざまなメーカーが手がけた銘品が多数展示されています。

イギリスの高級ブランド「ダンヒル」はご存知の方も多いのでは?ダンヒルは元々は馬具製造業を営んでいましたが、自動車用品店を開業したことから、パイプやたばこを扱うようになり、ライターも手がけました。

1920〜1930年代に流行したアール・デコを取り入れたデザインも。ライターの世界では1920〜1950年代にかけて、アール・デコの特徴である幾何学的なデザインを取り入れた銘品が数多く生まれました。

第二次世界大戦後のライターの世界

第二次世界大戦はライター界にも大きな影響を与えました。アメリカにとっても日本にとっても、ライターの素材である金属は重要な軍需物資だったからです。

展示後半では、第二次世界大戦以降の世界のライター事情や、日本の戦後復興のなかで発展したライター産業の歩みについても紹介しています。

たばこと塩の博物館が位置する隅田川周辺地域では、地場産業としてライターの製造や卸売が発展。

終戦直後に日本で作られた廃材や軍需用に保有されていた金属を使用したライターは、海外の観光地でお土産として売られるなど、手軽な廉価品として人気を伸ばしていきました。

現在ではライターの製造自体はほとんどが海外で行われていますが、本社は今も隅田川周辺に多くあるそうです。

 

ライターの歩みを、ユニークな角度からひもとく本展。たばこと塩の博物館では、ライターと密接にかかわる「たばこ」の歴史を紹介した常設展示も鑑賞できますよ。

特別展とあわせてお見逃しなく!

Exhibition Information