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2024年11月1日
東京ビエンナーレ2023
東京都心の北東エリアを舞台に、2年に一度開催される「東京ビエンナーレ」。国内外から幅広い分野のアーティストやクリエイターが一堂に会し、地域住民と一緒に作り上げていく国際芸術祭です。
2回目の開催となる本芸術祭は現在、谷中・鶯谷・上野・御徒町エリアや神田・湯島エリアなど全6エリアにわたって開催中。
本記事では、東京ビエンナーレ2023の見どころをレポートします。
東京ビエンナーレ2023は、「リンケージ つながりをつくる」をテーマに掲げています。
リンケージ(Linkage)とは、関係性=つながりを意味する言葉。
総合ディレクターの中村政人氏はつながりについて、「人間同士だけでなく、歴史的な時間軸やそこに関わる物質との関係性もある。各作家がさまざまな挑戦の中で何と何を繋げようとしているのか、関係構築そのものが文化やアートを通してどのように生み出されていくのか、そういう視点を持ってほしい」と話されています。
徳川将軍家の菩提寺である寛永寺は、令和7年に創建400年を迎える歴史あるお寺です。
寛永寺・教化部の石川執事によると、節目の年を迎えるにあたり、「もっとお寺を知って楽しんでもらいたい」という気運が高まったことや新たな取り組みをしていきたいという想いから、境内にアート作品を展示することになったといいます。
作品があるのは、通常は非公開のエリア。
例えば、大河ドラマの主人公として話題にもなった、渋沢栄一が妻のために建てた霊堂の前庭にある作品は、日比野克彦氏の《ALL TOGETHER NOW(Transforming box series)》です。
日比野克彦《ALL TOGETHER NOW(Transforming box series)》2022年 撮影:池ノ谷侑花(ゆかい)
15人の将軍一人ひとりを箱に見立て、その箱自体が人格を持っているのだそう。
庭に佇んでいるようすを通じて、過去と現在とをつなぐリンケージ観を表現した作品です。
ノーガホテル上野で鑑賞できるのは展覧会「ジュエリーと街 ラーニング」。
ノーガホテル上野「ジュエリーと街 ラーニング」展示風景
日本有数の宝飾専門店街である御徒町とジュエリー職人たちの手によって、家族から受け継がれてきた古い装飾品が新しいジュエリーとして楽しめます。
関東大震災後の復興期に建てられた看板建築・海老原商店を拠点に展開するのは、「パブローブ:100年分の服」です。
海老原商店 入口のようす
パブローブとは、パブリックとワードロープを組み合わせた造語。
服の図書館のような誰もが利用できる衣裳部屋プロジェクトです。
「パブローブ:100年分の服」展示風景
単に、100年の間に着られた服が集まっているだけではなく、服一つひとつにエピソードが記載されており、服を提供した方の想いが時代を超えて現代につながっていることが感じられます。
「パブローブ:100年分の服」展示風景
温かいエピソードが添えてある
東京ドームシティ・Gallery AaMoと都営三田線・水道橋駅A3出口をつなぐ通路の壁に展示されているのは、遠藤麻衣氏の「アトラクティヴリーアイドリング」です。
東京ドームシティ 遠藤麻衣「アトラクティヴリーアイドリング」展示風景
東京ドームシティで働くスタッフを取材し、さまざまな心理状態や表情を写真に収めた本作。
制作過程を収録した映像も会場内で放映されています。
持続可能性や多文化共生をテーマにした市民参加型のアートプロジェクト「Slow Art Collective(スローアートコレクティブ)」。
Slow Art Collective Tokyo(Slow Art Collective)展示風景
竹やロープなどの自然素材をはじめ、街で拾い集めた素材を用いて作られています。
鑑賞するだけでなく、参加者として制作を楽しめますので、気軽にアートと関わりを持てます。
会員制総合卸商社・エトワール海渡のリビング館では、さまざまなアートプロジェクトが展開されています。
エトワール海渡 リビング館 外観
例えば1階では、藤幡正樹氏らによる「超分別ゴミ箱 2023」が展示されています。
日常生活において切り離せないゴミについて、その分別方法や再生利用について考えるプロジェクトです。
藤幡正樹ほか「超分別ゴミ箱 2023プロジェクト」展示風景
そのほかにも、神田川で実施したタイムトライアルのドキュメンタリー映像などを展示した「天馬船プロジェクト2023/日本橋川」やグラフィックデザイナー・佐藤直樹氏による植物の大型木炭画シリーズを連結した《その後の「そこで生えている。」》など、見ごたえのある作品が展示されています。
コマンドN「天馬船プロジェクト2023/日本橋川」展示風景
佐藤直樹「その後の「そこで生えている。」2014-2023」展示風景
今回紹介した作品以外にも、都内各所のユニークな場所に作品が点在しています。
有料展示は4か所のみで、ほぼ無料で体験できます。
作品鑑賞を通じて、自分自身とどんな「つながり」の可能性があるのか、想像しながら楽しんでみてはいかがでしょうか。