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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
浮世絵動物園/太田記念美術館
浮世絵を専門に所蔵する太田記念美術館(東京・原宿)で、動物をテーマとした展覧会「浮世絵動物園」が開催中です。
展示風景
江戸時代に愛された動物とは?浮世絵がもっともっと親しみやすくなる、ユニークな展覧会を少しだけご紹介します。
本企画は2010年の初めての開催以来3回目の人気企画です。
実は浮世絵のなかには、ありとあらゆる場面にさまざまな動物が描かれています。「美人画」「役者絵」「風景画」など・・・当時の風俗について描かれた浮世絵だからこそ見えてくる、江戸っ子と動物の関係に注目。
豊原国周《見立昼夜廿四時之内 午后八時》
展示は江戸っ子が飼っていたペットが登場する作品からスタート!
《見立昼夜廿四時之内 午后八時》は、もうすっかり暗くなった午後8時、行灯(あんどん)の明かりを頼りに針仕事をする女性を描いたものです。よく見るとそばには猫が!ひらひら揺れる布にじゃれついています。
女性の困ったような、愛しいものを見るような目に親近感が湧きます。
江戸時代でも人気のペットというと、やはり犬と猫だったそうです。他にも金魚や鳥などが身近でした。
歌川国芳《御奥の弾初》嘉永2~4年(1849~51)
《御奥の弾初(おおくのひきぞめ)》で描かれているのは、犬の狆(ちん)です。画面中央に、優雅に座っています。
本作は武家の姫君が新年に琴の弾き初めを聞いているようすを描いたもの。狆も一緒に琴の音色に耳を傾けているかのようですよね。
当時の小型犬である狆は、江戸時代の上流階級に好んで飼われました。
他にもペットを描いた作品がずらり。飼い主とのほほえましい場面などを見ていると、現代で動物と暮らす私たちでも共感できるシーンなどがあります。浮世絵ならではの細かい毛の描写などもぜひ注目してみてくださいね。
江戸時代、鎖国が終わると外国から日本にさまざまな動物がやって来ました。
ヒョウやゾウなどの珍しい動物を目にした浮世絵師たちは、その姿をこぞって残しています。当時の江戸っ子の好奇心をくすぐったのが伺えます。
歌川芳豊《中天竺馬爾加国出生 新渡舶来大象之図》文久3年(1863)2月
ゾウはもともと日本に生息しておらず、たいへん珍しい動物でした。ゾウを描いた《中天竺馬爾加国出生 新渡舶来大象之図》は、当時両国(墨田区)での見世物の際に宣伝のために制作されたものです。
このゾウはとても人気で、その後10年以上も全国を巡回したのだとか。当時の人びとはどんなふうに見世物の動物を見ていたのか、思いを巡らせてみてください。
太田記念美術館のゆるキャラ・虎子石(とらこいし)も浮世絵動物園に登場!
歌川芳員(うたがわ よしかず)が描いた東海道物のシリーズの一点である本作。
作中に登場する奇妙なキャラクター“虎子石”は、「虎」と「石」を組み合わせた生き物です。
歌川芳員「東海道五十三次内 大磯をだハらへ四リ」
虎子石は、本来は石です。鎌倉時代の武士・曽我十郎祐成(そがじゅうろうすけなり)の恋人、虎御前ゆかりの不思議な石で、虎御前の成長とともに大きくなり、十郎の仇である工藤祐経が刺客を差し向けた際、十郎の姿に成りかわって敵の矢を防ぎ、十郎の命を守ったなどの伝承があります。
大磯の延台寺にいまでも虎子石(虎御石)は祀られています。本作ではこの虎子石を「石」のからだに「虎」の足という姿に変えてしまったのです。
江戸のゆるキャラといったところでしょうか。ユニークな発想にクスっと笑ってしまいますね。
こちらも前期展示なのでお見逃しなく。
江戸時代に生きたさまざまな動物を紹介する本展。なかには擬人化して相撲をとるウサギや、もののけのようなちょっぴり怖い展示もあり!この夏ぜひ太田記念美術館へ訪れてみてください。
太田記念美術館の自慢の所蔵品を聞いたコラムもあります!