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2024年11月1日
2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展/板橋区立美術館
板橋区立美術館で毎年恒例の企画展『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』は、絵本表現のトレンドや今後の動向を知るために、世界中の児童書関係者から注目されています。
2023年の応募数は過去最多となり、さらなる盛り上がりを見せている絵本の世界。
数多くの作品から選ばれた、世界27か国・79人(組)の作家による原画が本展に集結しました。
イタリア・ボローニャ国際絵本原画展とは、絵本原画の国際コンクールで入選した作品を紹介する展覧会です。
ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(BCBF)が主催し、イタリアのボローニャで毎年開催され、日本では板橋区立美術館をはじめとした各地を巡回します。
作家は、児童書のために制作した5枚1組の作品で応募するのが決まり。
出版・未出版にかかわらず審査の対象となるため、新人作家の登竜門として知られていることも特徴です。
実はイタリアのボローニャ市は、板橋区の友好都市。
また、板橋区は印刷産業が多く立地する特徴を活かして、美術館や中央図書館を起点に、絵本文化の発信を広く進めています。
展示室ではボローニャ展の審査やブックフェアのようすを記録したドキュメンタリー映像を観られる。
『イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』の見どころは、オリジナリティ溢れるさまざまな入選作品が一堂に会すること。
国際色豊かで、アジア・ヨーロッパ・アフリカなどそれぞれの国らしいニュアンスも楽しめます。
また、画材もそれぞれ異なるため、色鉛筆・油彩・刺繍など多様な表現に触れられることが魅力的です。
展示室内では実際の絵本を手に取って読めるので、原画が絵本ではどのように使われているのかを観ることもできます。
展示室にはたくさんの絵本が置かれている
椅子に座ってゆっくりと絵本を楽しめるのも本展のいいところ
展示室入り口からの全景
展示室は全部で4室あり、全ての入選作品がずらりと並んでいます。
華やかな色彩に淡い色彩、やわらかで素朴な絵から緻密なイラストまで、その個性は本当に豊か。
子どもの想像力を刺激するファンタジックな絵図が目を引く一方で、《戦争日記》のように時事問題を鋭く描写した現実的な作品も目に留まりました。
ファン・ユチィン《小さな町のものがたり》
マルコス・グアルディオラ《森の根っこ》
ユリヤ・ツヴェリチナ《戦争日記》
第4展示室では、2022年に「ボローニャSM出版賞」を受賞したアンドレス・ロペス氏による新作絵本《Volver a mirar(ふたたび見る)》とその複製原画を観られます。
「ボローニャSM出版賞」はBCBFとスペインのSM出版によって2010年に設立された賞で、ボローニャ展入選者のうち35歳以下を対象に1名が選ばれ、SM出版から絵本を出版する機会と賞金が与えられるものです。
ボローニャ展の入選を機に羽ばたく若手イラストレーターの活躍も観てみましょう。
日本語の抄訳が用意されているので、元の言語がわからなくても物語の世界に浸れます。
アンドレス・ロペス《Volver a mirar(ふたたび見る)》
アンドレス・ロペス《Volver a mirar(ふたたび見る)》の絵本と日本語ガイド
今回は入選作品から5枚の原画が選ばれ、絵画を触って鑑賞できる「触察パネル」を制作して紹介しています。
触察パネルとは視覚障がいのある方のために作られ、美術作品へのアクセシビリティ向上を目的としたものです。
例えば、《原始の世界》では水の部分にツルツルとしたコーティングを施し、海から生き物が現れるようすを表現しています。
ジェームズ・パーカー《原始の世界》
また、《今日もどこかで何気なくも愛しい毎日》では、滴り落ちるドリップコーヒーをつややかな質感で表し、手前側の明るい部分と背景の影の部分を手触りの違いで示しています。
イラストレーションを触って「視る」という新たな鑑賞体験は、今までにない気付きをもたらしてくれるかもしれません。
木村友美《今日もどこかで何気なくも愛しい毎日》
同じく触って楽しめる「さわる絵本」も必見。
布やクラフトペーパーを使い、点字で物語を伝える絵本には、他にない温かみが溢れています。
さわる絵本「かげ」(ミケラ・トネッリ、アントネッラ・ヴェラッキ作)
※さわる絵本は板橋区立美術館のみでの紹介です
本展では特別展示として、ブックフェアの開催60回目を記念して制作されたイラストが観られます。
これまでに入選した20名のイラストレーターが、「BCBFの風景画と肖像画」をテーマに作品を制作したもの。
多様性を重視する意図から、この中から最優秀作品を決めるのではなく、いくつかを組み合わせてブックフェアのディスプレイやWebサイトに使われたことが特徴的です。
BCBFのロゴマークの4色(赤、オレンジ、マゼンタ、黒)のみで描かれたイラストは、鮮やかな色彩とポップなビジュアルが印象に残ります。
『2023イタリア・ボローニャ国際絵本原画展』は児童書における表現の幅広さを感じられる展覧会で、子連れの方やファミリー層、絵本が好きな方には特におすすめです。
大人の方も、童心に帰って絵本の世界を楽しんでみませんか?
ミュージアムショップでは出展作品をモチーフにしたグッズを多数取り扱っており、会期中は講演会や対談、ワークショップなどイベントも豊富です。
絵本のイラストが誘う豊かな創造の世界に、ぜひ触れてみましょう。
可愛らしいグッズや書籍が並ぶミュージアムショップ