風刺画/10分でわかるアート
2023年3月29日
テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート/京都市京セラ美術館

コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解のイメージ》1991年 テート美術館所蔵
京都市京セラ美術館で「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が開催中です。
本展は、1990年代にイギリスで「YBA」と呼ばれたアーティストたちの作品を、その時背景にあった社会的なテーマに沿って展示。
絵画や写真、映像、インスタレーションなどさまざまなアートに触れながら、YBAの世界観を楽しむことができます。

テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」京都市京セラ美術館、2026年、展示風景
1990年代のイギリスと言えば、失業率の上昇や貧困格差の拡大など多くの問題を抱えていた時期でもあります。
こうした社会的な大きな揺らぎは、若いアーティストたちにこれまでにない視点やより自由な表現方法を手にいれる動機ともなり、彼らはヤング・ブリティッシュ・アーティスト=YBAと呼ばれようになっていきました。
そして、世界のアートシーンに強い影響を与える存在になっていったのです。

「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」京都市京セラ美術館、2026年、展示風景
会場にはイギリスの国立美術館・テート美術館所蔵のコレクションを中心に、50名を超えるアーティストの作品、約90点以上が展示されています。
近現代美術を専門とするテート美術館所蔵の貴重なコレクションを、京都で堪能することができる貴重な機会ともなっています。
会場は20世紀を代表するフランシス・ベーコンの作品を序章としてスタートし、6つのテーマで構成されています。

ギルバート&ジョージ《裸の目》1994年 テート美術館所蔵
第1章「ブロークン・イングリッシュ:ニュージェネレーションの登場」では、ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》やギルバート&ジョージの《裸の目》など大型の作品が並びます。
第3章の「あの瞬間を共有する:音楽、サブカルチャー、ファッション」では、シンプルな描画と色使いで、ピトグラフのような印象を受けるジュリアン・オピーの代表作《ゲイリー、ポップスター》を展示。

ジュリアン・オピー《ゲイリー、ポップスター》1998-1999 テート美術館所蔵
各章をつなぐ役割を担うスポットライトとして存在感を放っているのが、コーネリア・パーカーの《コールド・ダーク・マター:爆発の分解のイメージ》。
日常的に目にするもの大量に集め、時には変形させて、天井から吊るす彫刻作品となっています。

コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解のイメージ》1991年 テート美術館所蔵
電球を囲むように宙を浮く木片や歪んだ物体たちの姿は、まるで爆発の瞬間を切り取ったかのよう。
壁に映し出される影も相まって、美しくも儚げで、独創的な世界が広がっています。

マイケル・クレイグ=マーティン《知ること》1996年 テート美術館所蔵
筆者が一番好きな章は、第6章「なんでもないものから何かが生まれる:身近にあるもの」。
身近な日用品をアートに落とし込んだマイケル・クレイグ=マーティンの《知ること》や、微妙に大きい自転車、京都のコンビニで買い物をした際のレシートもなど、ユニークな空間として楽しむことができました。

エリザベス・ライト《B.S.A社製のレーサータイプ自転車「ツアー・オブ・ブリテン」を135%のサイズに拡大したもの》1996-1997 テート美術館所蔵

シール・フロイヤー《モノクロームのレシート(白)》1999年 テート美術館所蔵
絵画や写真、映像、インスタレーションなどさまざまな作品を通して、YBAの魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

会場にはグッズショプがオープンし、定番のポストカードやスッテカーをはじめ、種類豊富にグッズが並んでいます。
お気に入りの作品がモチーフのグッズは、ぜひ手に取ってみてくださいね。

ポストカードは各220円
注目は、京都展から登場するグッズです。
キャンディショップ「PAPABUBBLE(パパブブレ)」とヘレン・チャドウィック作品がコラボした「脳みそマシュマロ」は、名前の通り、リアルな脳みそシルエットに。

ミックスベリー味の「脳みそマシュマロ」1,000円
また、ジュリアン・オピーの代表作《ゲイリー、ポップスター》の世界観をパッケージにしたためた、特別な八ツ橋も販売。
京都の名品×現代アートは、まさにここでしか買えないアイテムとなっています。
本展は今後巡回の予定がないため、まさに今ここでしか観ることのできない展覧会となっています。
期間は9月6日(日)までなので、今年の夏は京都市京セラ美術館でイギリスアートに触れてみてはいかがでしょうか。

京都市京セラ美術館 新館 東山キューブにて開催中