【大阪・大絶滅展レポート】恐竜だけじゃない!生命史のビッグファイブと注目展示を紹介
2026年9月7日
深堀隆介展

会場の「文化のみち橦木館」
9月18日(金)から名古屋市の文化のみち橦木館にてスタートした「深堀隆介展―『金魚の唄』(きんぎょのうた)―山田憲司・北川啓介との共創」。
金魚絵師・深堀隆介が作る、本物さながらの金魚アートが、歴史的名建築を美しく彩ります。
名古屋観光の中心地からもほど近く、金魚好きな方や現代アート好きな方はもちろん、お出かけ先を探している方にもおすすめの展覧会ですよ。

深堀隆介《百千舟(ももちぶね)》2018年
愛知県出身の深堀隆介は、樹脂の中に絵具を使って金魚を描く独自技法「2.5Dペインティング」を発案しました。
海外で展覧会を数多く行っている、国際的にも人気のある金魚アートの第一人者です。

深堀隆介《金魚酒 命名 夕緋(ゆうあけ)》2009年
深堀さんの代表作が、升の中を泳ぐ金魚を描いた「金魚酒」シリーズです。
背びれやウロコ、尾びれまで精緻に描かれた金魚の姿は、一瞬本物と見間違えるほど。作品には、金魚の姿だけでなく、金魚のフンまで描かれています。
美しい部分以外も精緻に描写するからこそ、作品に生命が宿っているように見えるのかも。

深堀隆介《金魚ぷた》2026年
展覧会会場の「文化のみち橦木館」は、洋館と和館を有し、名古屋市指定有形文化財にも登録されている歴史的な建築物です。
大正ロマンあふれるミステリアスな空気感は、深堀さんの金魚アートと絶妙にマッチしています。

展示場所は和館がメインとなっていますが、本館もステンドグラスやアンティークが飾られた美しい空間です。
展覧会の前後にぜひ橦木館自体にも立ち寄ってくださいね。

明治時に移築された茶席「撫松庵」
庭園の一角にある茶席「撫松庵」は、1933年(明治8年)ごろに橦木館に移築されたと伝えられる、同館の中でも古い建築物。
実は耐震面の問題で、今年10月に愛知を中心に開催される「アジアパラ競技大会」の開催期間が終わったのち今とは違う姿に変わってしまうそう。

(左から)深堀隆介《遊銀》2008年、深堀隆介《「笹やか」の習作》2006年、深堀隆介《浮蒼の涼み》2007年
今回の展覧会では、茶室内に深堀さんが金魚を描いた着物を展示。ちょうど橦木館の関係者がこの作品を持っていたということで、今回特別に展示が実現。
今回の展示会でしか見れない茶室と着物の組み合わせを、ぜひそのストーリーとともに楽しんで欲しいです。

(左から)深堀隆介《湖月》2023年、深堀隆介《緋ノ魚》2019年
とくに見逃せないのが、和館の裏手を歩いて行った先にある蔵。普段は公開していないスペースを、この展覧会のために開放してくれています。外の光がほぼ入らないひっそりした空間には、古風な雰囲気の絵画や屏風が並んでいます。
蔵と金魚。作品と直接関係がなくて恐縮なのですが、週刊少年ジャンプで連載中の人気漫画『カグラバチ』読者である筆者にとっては、本当にたまらない組み合わせです。

今回の展示のもうひとつの大きな目玉が、東海地方にゆかりを持つクリエイターとのコラボレーションです。

深堀隆介《緋舟(あけぶね)》2026年
名古屋工業大学の北川啓介教授が開発した「インスタントハウス」の中には、本展にて初お披露目となった「緋舟」が鎮座。
本来、樹脂は熱に弱く野外での展示は難しいのですが、熊本の被災地にも贈られた最新の建築技術の結晶が、金魚アートの魅せ方の可能性をさらに広げてくれています。

山田憲司《鶴反飲水図》2023年、深堀隆介《小緋ちり》2008年
庭園を望む和室には、畳職人の山田憲司さんの作品と深堀さんが描いた金魚柄の着物が並びます。
光の当たり方で色合いがくるくると変化する畳の表情は、深堀さんが生み出す金魚アートの優美なきらめきにも通じます。
A.大正ロマン漂う橦木館と、雄大な金魚アートが生み出す唯一無二の空間演出です。
A.会場には、美しさを直感的に楽しめる作品がたくさんあります。金魚やレトロなものが好きな方、アート初心者の方にもおすすめですよ。
A.会場はすべて撮影OKです。中でも山田さんの畳アートは、なんと入ってOK。庭園を背景に、自分がアートの一部になったような写真を撮影するのもおすすめです!
A.展覧会の最後に、図録などを販売しているスペースがあります。本展初公開となった作品のポストカードなども販売されています。

会期:2026年9月18日~10月25日
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
金・土・日は10:00~20:30(最終入館20:00)
(対象日)
9月 18日(金)~ 9月27日(日)
10月 2日(金) 3日(土) 4日(日) 9日(金)10日(土)11日(日)
16日(金)17日(土)18日(日)23日(金)24日(土)25日(日)
休館日:月曜日 ※祝日の場合は直後の平日となり10/13(火)が休館
入館料:
当日価格(税込):大人 1,200円
※障がい者等割引料金:500円
※中学生以下は入場無料となります。
<重要・別途入館料>
本展の観覧料とは別に、会場である「文化のみち橦木館」への入館料が別途必要となります。
あらかじめご了承ください。
(9月中:大人200円、10月以降:大人300円など。詳細は文化のみち橦木館HPをご確認ください。
https://shumokukan.jp/
【チケット購入・ご来場に際しての注意事項】
● 車椅子をご利用のお客様へ
車椅子をご利用のお客様は、展示エリアの構造上、安全確保のため特別展示エリアへのご入場をご遠慮いただいております。
● 文化のみち橦木館への入館料について
前述の通り、本展の入場券のほかに、橦木館の建物への入館料(200円~300円)が現地にて別途必要となります。
● 障がい者割引の適用条件
身体障がい者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方、およびその付き添いの方2名までが対象です(「ミライロID」も使用可能です)。入場時に手帳または受給者証のご提示がない場合は、差額をお支払いいただきます。
● 混雑時の入場制限
展示室内が混雑した場合、整理券対応をさせて頂く場合がございます。
会場:文化のみち橦木館
アクセス:地下鉄桜通線「高岳」駅下車。徒歩10分
市バス「清水口」バス停下車。徒歩5分
公式サイト
https://shumokukan.jp/news/kingyonouta.html
圧倒的な生命感を放つ、深堀さんが生み出す金魚アート。地元・名古屋の歴史的建造物だからこそ実現した今回の展示は、深堀作品の「そこにある」感を、より一層に引き立てています。

深堀隆介《桃山》2025年
現代アート、伝統工芸、建築。3者が東海地方にゆかりがあったからこそ実現した、ここにしかない空気が魅力の展覧会。
幻想的な金魚の世界を、ぜひ会場で味わってみてください。