国立新美術館「ルーヴル美術館展 ルネサンス」見どころ&グッズを紹介
2026年10月1日

北海道開発大博覧会で展示されたジオラマ
千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館(以下、「歴博」)で、企画展示「アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―」が2026年11月29日(日)まで開催されています(会期中、一部作品の展示替えあり)。
1872年の湯島聖堂博覧会から2025年の大阪・関西万博まで、アイヌ民族は約150年にわたり博覧会と関わってきました。
本展では、アイヌ民族が博覧会でどのように表現され、どのように関わってきたのかを、貴重な資料とともに振り返ります。
アイヌ民族は北海道を中心に独自の文化を育んできました。
近世後期にはアイヌの工芸品が和人(アイヌ民族以外の日本人)との交易を通じて流通します。

(左から)【重要文化財】『近世蝦夷人物誌 二編巻之中』松浦武四郎 1858年 松浦武四郎記念館(三重県松阪市) 展示期間:10月6日〜11月1日、《松浦武四郎書簡集》松浦武四郎 1854~1870年 公益財団法人石水博物館
幕末の探検家・松浦武四郎は、著書『近世蝦夷人物誌』で、短刀の刃を収める鞘(さや)に、唐草や雷文(稲妻のような模様)を精巧に彫るアイヌの木彫名人を紹介し、その技術の高さに驚いたことを記しています。

(左から)『明治十年内国勧業博覧会列品写真帖』1877年 尼崎市立歴史博物館、『出品物写真帖』1881年 尼崎市立歴史博物館
会場には、写真、絵はがき、書簡、衣装、映像、工芸品など、重要文化財19点を含む約200点の資料が並びます。
明治期の写真帖など、当時のようすを伝える貴重な資料を通して、江戸時代後期から現代までの博覧会の歴史をたどることができます。

(右)《古今珍物集覧》一曜斎国輝画 1872年 国立歴史民俗博物館蔵 展示期間:10月6日~11月1日
《古今珍物集覧》は、1872年の湯島聖堂博覧会のようすを描いた錦絵です。
回廊にはアイヌの弓矢なども展示されています。
本展は、歴博と国立アイヌ民族博物館による共同開催展です。
それぞれの専門性を活かし、差別や偏見の問題にも目を向けながら、多角的な視点からアイヌ民族と博覧会との関わりを掘り下げています。

拓殖博覧会に関する絵はがき
1912年の拓殖博覧会では、会場内の家屋で、アイヌ民族が暮らす姿を紹介する展示が行われました。
一方、当時の記録から、出場者の中に「東京の和人の生活を見る」という目的を持って参加した人や、会期中に東京見物を楽しんだ人がいたこともわかっています。
見られる側であると同時に、彼らも東京の暮らしを見つめていたのです。

(左から)《明治記念拓殖博覧会銅賞牌》1913年 個人蔵、《盆》貝澤ウトレントク 個人蔵
明治記念拓殖博覧会では、優れた木彫技術が評価され、銅賞を受賞した名工も存在しました。
戦後、アイヌ民族と博覧会の関係は次第に変化していきます。
1970年の大阪万博では、アイヌ古式舞踊が日本各地の伝統芸能・郷土芸能の一つとして披露されました。

1970年の大阪万博関連展示
1988年の「世界・食の祭典」では、川村則子がタペストリーを出品し、アーティストが自らの表現を発表する場へと広がっていきます。

《ミンタラ》川村則子 1988年 公益社団法人北海道アイヌ協会
2025年の大阪・関西万博の舞踊公演では、地域や世代を超えて集まったアイヌ民族の人びとが、演出や道具づくり、演舞を主導しました。
万博で生まれた交流は、各地での伝承活動へとつながり、アイヌ文化の継承を支える大きな力となっています。
会場では、公演の映像に加え、使用された衣装・舞台道具や記録資料を見ることができます。

2025年の大阪・関西万博関連展示
本展の大きな特徴は、モノの展示だけではなく、博覧会に関わった人びとの経験や思いを「声」として紹介している点です。
歌人・伝道者のバチラー八重子が、1950年の北海道開発大博覧会に出品したとされる《山丹錦(サンタンニシキ)》は、「国宝とまで言われた品」と手紙に記したエピソードとともに展示されています。

《山丹錦》立教小学校(国立アイヌ民族博物館寄託)
2025年の万博で舞台に立った加藤峻也は、曽祖母の衣服や幼なじみが作った冠などを身につけて出演しました。
映像展示では、自らのアイデンティティや万博への出演体験について語っています。

加藤峻也がまとった衣装などの展示
2026年3月にリニューアルした総合展示第5室「近代」では、「アイヌにとっての近代」というテーマ展示が設けられています。
明治以降の開拓政策で生活の場を奪われながらも、言語や文化の継承、権利主張など、近代社会へ主体的に向かい合ったアイヌ民族の歴史が紹介されています。
企画展示とあわせて見ると、博覧会の背景にある日本の近代史への理解がさらに深まります。

《UKOUK/輪唱(ウコウッ/りんしょう)》貝澤徹 2012年 国立歴史民俗博物館
鑑賞後は、ミュージアムショップでのおみやげ探しも楽しめます。
展覧会オリジナルのクリアファイルをはじめ、伝統的なアイヌ文様をあしらったてぬぐいや布きんなど、ふだん使いできるアイテムがそろっています。

企画展示にちなんだオリジナルグッズ
土偶・埴輪をデザインした歴博ならではのグッズも充実しています。

埴輪・土偶をモチーフにしたグッズ
ミュージアムショップのコンシェルジュ「ハニワスキー」に関連するグッズは、特に人気だそうです。

ハニワスキー関連のグッズ
A.企画展示「アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―」のみをじっくり観覧する場合は、1時間半~2時間程度が目安です。
総合展示までしっかり回る場合は、半日以上かかる場合もあります。
時間に余裕がない場合は、興味のあるテーマを中心に見るのがおすすめです。
館内には休憩スペースやレストランもあります。
歴博の開館時間は季節によって異なり、10月~2月は9:30~16:30(最終入館16:00)となります。

休憩スペース
A.京成佐倉駅南口から徒歩約15分、またはバスで約5分です。
JR佐倉駅からもバスが運行しています。
車の場合は、東関東自動車道の四街道ICまたは佐倉ICから約8km。無料駐車場も利用できます。
A.企画展示は撮影できません。
総合展示は一部撮影禁止の場所がありますが、個人利用を目的とした撮影が可能です。
撮影の際は、館内の案内・スタッフの指示に従ってください。
A.観覧料金は一般1,500円、大学生800円です。
高校生以下や18歳未満の方は、年齢がわかる証明書の提示で無料となります。
チケットは当日窓口で購入でき、キャッシュレス決済にも対応しています。この料金で総合展示も観覧できます。
多文化共生や日本の近代史に関心がある方はもちろん、デザインや工芸に興味がある方にもおすすめの展覧会です。
アイヌ民族のこれまでの歩みをたどりながら、博覧会を通じて広がるアイヌ文化のこれからの可能性にも思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
